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中京記念など追い切り診断

  • 2013年07月18日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中京11R・中京記念(G3)
・ドナウブルー
 1週前、最終追い切りともに動きは抜群。特に最終追いは、ゴールが近付くにつれて加速するラップで、ラスト1Fは12.2秒。仕掛けられてからの反応も鋭く、昨年の夏は関屋記念を勝っただけあって、この時期の体調の良さを物語っている。
 ただ、気になるのは中間の追い切り本数。坂路での4本というのは、2012年京都牝馬S1着時と同じ。レース間隔も当時と同じなので、全く問題ないと受け止めることもできるが、今回は牡馬混合のハンデ重賞。56キロというハンデを考えても、決して楽観視できないのではないだろうか。

・フラガラッハ
 昨年は米子Sを勝って、このレースへ出走しているが、今年は凡走が続いており、昨年のような勢いがない。
 その分というわけではないのだろうが、最終追い切りは速い時計が出るようなラップを踏んでの追い切り。その結果、4F50.3秒と自己ベストを0.4秒更新する時計が出た。この数字だけ見てしまうと、近走からの一変を期待したくなるが、動き自体はあまり関心しない。ちなみに昨年は残り350m付近で肢の回転数が上がり、一気に加速。右前肢が高く上がり、いかにも左回りに適性があるという走りを見せていた。

・フレールジャック
 3歳時にラジオNIKKEI賞の重賞勝ちこそあるものの、その後は思うように賞金加算することができず、4歳時に1600万下を勝ってオープン入り。また、その後も賞金不足でローテーションに悩まされており、今回はようやく、マイル重賞を使えた。
 前走後はノーザンFしがらきへ放牧へ出されており、帰厩したのは6月14日。そこから入念に追い切りを重ねており、調教本数は問題なし。ただ、最終追い切りはテンションを上げすぎないようにするためのソフト仕上げということで、DPを単走。確かに機敏な動きは目についたものの、6F90.6秒は少し遅すぎる印象が残る。前走は430キロという馬体重だが、今回は440キロ台という可能性も十分にありそう。

・リルダヴァル
 前走エプソムCは自分の能力は出しているものの、上がりの速い競馬で切れ負け。最近は重馬場、稍重馬場で勝っているように、少し時計を要するような芝の方が本来の持ち味が出る。
 中京芝は適度に上がりを要するので、そういった意味では歓迎。ただ、この中間の追い切りは1週前にCWで単走、そして、最終追い切りは併せ馬を行ったものの、3頭の最内で一番遅れる内容と、高い評価はできない。また、4歳以降に3勝を挙げているが、そのすべては最終追い切りが坂路。今回はCWで行われており、そのあたりも今回は向けて気になる材料だ。

◆日曜福島11R・福島テレビOP(OP)
・ゲシュタルト
 コーナー4つのローカル重賞では、好位差しの脚質を武器に、常に上位争いしている。福島競馬場も昨年の七夕賞で経験しており、その時が勝ち馬から0.4秒差。オープン特別のここなら、威張って当然の存在だろう。
 ただ、休養明けは結果が出ないタイプ。9頭立てだった2011年オールカマーで2着している以外は、常に凡走。この中間も、決して調教本数が多いわけではなく、仕上がり状態に関しては、これまでと特に変わりない。むしろ、同じようなレース間隔だった七夕賞よりも追い切り本数自体は少ない。時計、動きともに、DPでこの馬らしさは出ているものの、久しぶりという状況は歓迎できないだろう。


【美浦トラックマン情報】
◆日曜福島9R・種市特別(500万下)
・アブマーシュ
 格上マイネヒメルの外に併せて終始素軽さ満点の動き。間隔をあけて大事に使っているせいか、馬に元気があって、好調子をキープしている。福島競馬は昨秋に大外を鋭く伸びて2着の実績。多少馬場が荒れ気味になり、外伸び状態となったこの時期のコースがピッタリの印象。早めに函館を引き上げたのも、ここを睨んでのものと思える。1000万下でサイレントソニックあたりと好勝負していた馬。ここでは能力が1枚上。

・ダークマレイン
 前走は久々の短距離戦。さすがにテンのダッシュがつかず、追走にも手間取ってしまったが、最後はメンバー中最速の上がり34秒6の脚を使って5着。前残り決着の中でその末脚は唯一目立った存在。さすがに降級馬らしい底力を見せていた。その後中2週レース間隔を開けただけに、中間の調教量も十分で、11日・14日・17日と計3本の追い切りを消化。17日の最終追いではウッドで単走追いながら、4F51秒3〜3F37秒7〜1F13秒2の好タイムをマーク。前走の反動どころか、叩いた効果でさらに状態が上向いていることは確か。最終日で少し時計がかかる馬場状態は必至。前半巧く流れに乗って中団からの競馬ができればもとめて差しきるチャンス。1分9秒台の決着なら単勝から。

◆日曜福島10R・横手特別(1000万下)
・サトノプライマシー
 休み休みでまだキャリア8戦。この中間もいたって順調で、さらに状態をアップ。今週はウッドチップでファイナルフォームを2馬身追走して、69秒2-39秒8。相手が軽く気合をつけているのを横目に、手綱を押さえたまま楽々とゴールイン。体全体を使ったパワフルな走りは迫力満点。軌道に乗り、絶好調をアピールしている。前走は稍重状態で、千通過が63秒1と超のつくスローペース。まんまと逃げ切られてしまったが、その勝ち馬は次走の準オープン戦でも2着。悪い相手にうまく乗られてしまっての前走2着で、今回は負けられない1戦になる。

◆日曜福島11R・福島テレビオープン(OP)
・キョウエイストーム
 リフレッシュ放牧で3ヶ月ぶりだった前走の巴賞。道中はロスなくスムーズに流れに乗ったが、直線で内を突いたため最後で前が詰まる不利。それでも速い時計に対応して5着は収穫のあった内容。今回は攻め強化して5F66秒4〜上がり37秒1。ゴール前で軽く仕掛けると鋭く反応して、息使い、気迫共に一変。福島の最終週で理想の少し時計のかかる馬場でエンジン全開。

◆日曜福島12R・3歳上500万下
・アンルーリー
 前走の福島戦は、スタートで大きく躓き、まさに「落馬寸前」の致命的な不利。それでも、シンガリ追走からまくり気味に進出して、勝ち馬からはコンマ4秒差の3着まで押し上げたのだから、これは能力が高くなければできない芸当(2着馬とはクビ差)。やはり500万クラスでは、まったく器が違う可能性がある。間隔を詰めてもキチンと追えているとおり、夏場に強い牝馬らしく体調は高値で安定。今回は牡馬が相手となるが、本来の好位からの差し戦法がとれれば、アッサリのシーンがある。

◆土曜福島9R・栗子特別(500万下)
・トーセンジャステス
 前走は中団追走から折り合いをつけ、4コーナーから一気にスパート。直線は一頭だけ次元の違う伸び脚で完勝。3ヶ月ぶりでも馬体が絞れ好仕上がり。ノドの手術後ながら結果が出たのは力がある証で、夏場だけでひょっとしたら大化けするのではという印象。その後は坂路とウッドコースでジックリ調整。暑さを考え調教内容は控え気味で、直前の追い切りも5F70秒5〜3F39秒7〜1F13秒9の平凡な時計だったが、動き自体はダイナミックで引き続き好状態にあることは確か。今回は1F距離が短縮されるが、コーナーを4度回るのは前回と同じ。ムシ暑い気候も好材料で、勢いと好素質を買って2連勝に期待。

◆土曜福島10R・いわき特別(1000万下)
・トーセンヤマト
 昨年以来のレースになるが、6月20日に初時計をマークしてから、入念な乗り込みを消化。500キロを超える大型馬だが、重苦しさのない体と動きを見せている。先週はウッドチップで、フェデラルホールを4馬身追い掛け、63秒9-36秒9を馬なりのままマーク。直前の今週は調整という意味で少しセーブしたが、それでもウッドチップで68秒0-38秒7。格下馬を1秒追走したが、最後まで手綱を動かすことなく、楽々と併入してきた。順調だったらクラシック路線でも楽しめた素質馬、秋に向けて強い競馬を見せる。

・マイネルディーン
 前走は3月の中京競馬。直前の調教で内にモタれ気味になり、実戦でも終始力んで走っていたうえに、直線で内へモタれて手前を替えず、伸びきれずに6着。その後はリフレッシュを図り放牧に出された。今回は4ヶ月ぶりの出走になるが、牧場から乗り込まれ、帰厩した時には全く太め感のない仕上げを見せていた。そして、ひと追いごとに気迫を増し、直前の追い切りでは5F66秒8〜上がり38秒6を引っ張り切れないほどの手応えでマーク。降級して万全の仕上げ。緒戦から注目。

◆土曜福島12R・3歳上500万下
・トウショウブーム
 ここは4月の中山戦以来となるが、放牧先から6月下旬にトレセンに戻って、その後は順調な乗り込みを消化。直前の水曜には単走で69秒1〜52秒8〜38秒5をマーク(強めに)。前半が意識して折り合い重視だったため全体の時計は平凡でも、パサパサで時計のかかるダートにしては伸び脚しっかり。大柄ながらも9分以上の仕上げとしていい。前走、500万下を勝った馬だが、4歳ということで、ここは再び500万下からの再出発。ペースが上がる小回り福島なら人馬の呼吸も「より合う」はずで(しかも再度内田博騎手)、自然と好勝負になるはずだ。

◆土曜函館11R・函館日刊スポーツ杯(1600万下)
・セイコーライコウ
 1本目が15-15、2本目が40秒台と多少控え気味だが、前走時から太め感がなかったし、函館への輸送を考えれば、追い切りはこの程度で十分。2年ぶりの実戦を叩き、大きく変わってきそうだ。前走は久々で馬が行きたがったぶん、終い伸び切れなかったが、0.5秒差なら悪くない内容。グレードレースでダッシャーゴーゴーあたりと好勝負していた馬。良くなれば、ここでは能力が違う。

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