◆習志野きらっとスプリント回顧
(7月20日 船橋 サラ3歳以上 別定 地方交流 南関東SIII 1000m良)
◎(1)ラブミーチャン 58秒3
○(2)ディープハント 5
△(3)アイディンパワー 首
△(4)タマモスクワート 11/2
▲(5)スターボード 4
……………
(6)トウホクビジン
(7)アーリーロブスト
(8)モトヒメ
△(9)エーブダッチマン
(10)スパロービート
単110円 馬複500円 馬単630円 3連複670円 3連単1840円
ラブミーチャンが楽々と3連覇を達成した。五分のスタートから自然流の先行策。内スパロービート、外スターボード、懸命に食い下がる両馬を持ったまま捌き、直線2Fは11秒8~12秒3のフィニッシュ。結果5馬身差を含め、別格としか言葉がない。「思った通り凄い馬。速くて強い。責任重大だったから、とにかく今はホッとしてます」(森泰斗騎手)。地元笠松のパートナー・濱口楠彦Jが怪我で乗れず、急きょ代打を依頼された。「最近勝ったレースはすべて見ました。負けたレースは見ていない。いいイメージを自分に残したいと思ったから…」。同Jは先日通算1000勝達成、今年南関東リーディング第2位をキープしている。逆にいえばラブミーチャンとは、腕の立つ鞍上をそれだけ緊張、高揚させる存在だということだろう。
ラブミーチャンはこれで通算17勝、うち統一G4勝。確かにこの「習志野きらっと…」は、コース適性、斤量、相手関係、すべてに“しつらえられた”ようなレースだが、それでも単勝オッズなど、一昨年3.5倍→昨年1.4倍→今年1.1倍だから、スプリンターとしての成長と円熟、超一流への変遷がよくわかる。近年交流Gを制した地方競馬スターたち。アジュディミツオー、フリオーソなどひと握りはさておき、大半が一進一退、正真正銘のトップホースになり切れない事実を思うと(マグニフィカ、クラーベセクレタなど)、ラブミーチャンの逞しさ、成長力はひとこと凄い。「プレッシャーはあったけど、今日は状態がいいぶん安心して見ていられた。船橋もフィーリングが合っている」(柳江仁調教師)。次走は8月14日GIII「クラスターカップ=盛岡1200m」。「岩手のファンに彼女の姿を焼きつけてほしい-」。オーナー・小林祥晃氏からコメントが加えられた。
2着ディープハントはいつもより早めの仕掛け(3コーナー4番手)。しかしそこからいい脚を長く使った。最後5馬身差は予測以上に水があいたが、手の合う町田騎手で自身完全燃焼と納得できる。アイディンパワーは痛恨の出遅れ。直線外を回り上がり最速35秒2(ラブミーチャン35秒5)だから、まともならおそらく2着があっただろう。タマモスクワート4着は健闘。終始追い通しながらしぶとく伸び、地力健在(今季8歳)をアピールした。同馬の場合、本質的にもう1~2F距離がほしい。スターボードは、道中ラブミーチャンを外からマークしたものの、4コーナー手前、勝負どころで置いていかれた。パドックの張り詰めた馬体など、転入以来最高ともみえたが、能力、体調以前に、気分優先の面があるかもしれない。