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函館2歳Sのポイント

  • 2013年07月19日(金) 18時00分
 最初に函館競馬場の特徴について触れてみたい。

 直線は約260m。JRAのすべての競馬場と比較してホームストレッチがもっとも短い。

 小回りが定番のローカルコース。
 さらに直線が短いとなれば単調なレースが続きそうなものだがそうではないところがおもしろい。

 起伏の多い形態が影響を及ぼしているのだろうか。
 全体の高低差は3.4mある。

 向こう正面は上り坂で直線はわずかながら下り坂となっている。

 基本的には函館競馬場の芝・1200mは逃げ馬がかなり有利なコースである。

 ところが当レースの過去10年を振り返ってみると差し馬の活躍が目を引く。
 逃げ切った馬は皆無で積極策を選択した馬の成績も芳しくない。

 2歳戦とはいえ重賞である。
 スピード勝負で押し切るのは容易ではないのだろう。

 まして力を要する洋芝が使用されている。
 当コースそのものは逃げ馬の分がいいが当レースにおいては異なる。

 控える競馬で勝利をつかんだ経験を持つ馬のほうが過去の傾向からは優勢だ。

 開催8週目から6週目に変更された昨年は追い込み馬同士でワンツーフィニッシュとなった。

 今年も6週目である。
 開催が2週早まって2年目。それ以前の傾向を重視して問題はなさそうだ。

 オールパーパスを推す。
 初戦の内容がいい。2番手に控えて4角手前では先頭と約3馬身差。そこから長く脚を使ってきれいに差し切った。2着馬の勝ちパターンといっていい流れを逆転するのだから高い評価が必要だろう。母のストラテジーはフレンチデピュティ産駒らしい力強さも兼備していた。この馬も洋芝に向いたパワーがある。センスの良さと決め手に期待したい。

 ファイトバックは古馬のような味の競馬を見せて初戦を快勝している。3〜4角半ばで動かずまえの3頭を行かせてから反応よく捕えた。時計勝負になるとやや分が悪そうだがメンバー構成と馬場状態を考慮すれば問題ないだろう。

 一発ならファソンか。緩やかなペースをつくりメンバー最速で逃げ切りV。逃走劇だが差し馬のような内容だった。控える形になっても対応が利きそうだ。

 クリスマスは繋が柔らかくスピードに乗ってからがいい。いくらか後肢が緩い印象があり前半でもたついたときがどうかだろう。

 トーセンシルエットは本質的には中距離タイプかもしれない。成長が楽しみな半面、この距離と完成度の点でほかの馬と比べると厳しいかもしれない。とはいえ抜け出して後続の追撃もしのいだ初戦の内容はおとなびている。潜在能力は高い。

 ビービーブレインは豊かなスピードを保持しており前駆が勝った体型。調教では控える練習を試みているが速さの違いで先陣を切る可能性もある。絞れていればさらに粘りは増すはず。粗削りで上積みは大きい。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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