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頼もしき3歳牝馬

  • 2003年07月28日(月) 12時11分
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 7月22日川崎「スパーキングレディカップ」。3歳レマーズガールが激戦を勝ち抜いた。直線一歩早めに抜け出したラヴァリーフリッグ目標に鮮やかな差し切り。古馬と2~4キロの斤量差があったこと。流れを読みきった鞍上が馬の能力を100%引き出したこと。それでも今の時点でこれだけのレースができれば、“次代女王”の感触はみえてきた。前走関東オークスに続く重賞連覇。かつて酷似した道を歩んだプリエミネンス、タイプは似ているが、馬体、雰囲気、レースぶりの幅、あらゆる面でこちらが一枚上のランクだろう。「イメージ通りの競馬ができた。一戦ごとに勝つレースを覚えてきている。頼もしい馬」。武豊騎手もほぼ無条件で馬を讃えた。

スパーキングレディカップ(サラ3歳上牝馬 別定 南関東G3 1600m梢重)

○(1)レマーズカール   (52・武豊)  1分41秒0
◎(2)ラヴァリーフリッグ (56・石崎隆) 1/2
 (3)フューチャサンデー (55・北村宏) ハナ
△(4)アオバコリン    (54・内田博) 3/4
△(5)ロングカイソウ   (54・小池)  3
………………………………………………………………
▲(8)ディーエスメイドン (52・森下)
△(10)バハムート     (54・柴山)

単360円 馬複250円 馬単720円
3連複1170円 3連単4460円

 逃げ宣言ロングカイソウが外へ切れるようなスタートで先手をとれず、ひとつ内のカリスマテルコが主導権を握った。1000m通過60秒7、軽い馬場にしても厳しい流れ。ラヴァリーフリッグはその3番手を正攻法、これを直後でマークしたレマーズガールが結果絶好のポジションだった。直線入口、いったん先頭に立ったロングカイソウだが、やはりこれは同馬の勝ちパターンとはいい難い。あと1ハロン、後続がどっと押し寄せ、典型的な追い込み競馬。真ん中から抜けたラヴァリーをはさみ、外レマーズ、内フューチャサンデーが襲いかかる。着差こそ1/2だが、印象とするとレマーズの完勝。一瞬のうちに捕え切り、まだ脚いろに余裕があった。マイル戦が忙しいという懸念も今日の内容からは杞憂だろう。軽い馬場にしては平凡な1分41秒0も、相手なりに勝ちに徹したと納得できる。楽しみな馬、頼もしい馬…まさしく鞍上の言葉通りだ。

 辛くも連対を確保したラヴァリーフリッグ。「いつもと較べ道中グッとくるところがなかった」と石崎隆騎手。デビューから丸2年近く息を入れず走ってきて、あるいは蓄積疲労が出ているか。ただこの相手に“圧倒”というほどのパワーはなかったことも事実で、今後対レマーズを考えると正直楽観できないだろう。フューチャサンデーは好騎乗。道中うまく脚をタメ、ダート統一Gへ十分な裏付けと自信をつかんでいる。アオバコリン、ディーエスメイドンは現時点の能力通り。道中スムーズに動けなかった後者は、やはり右回りが合うようだ。

       ☆       ☆       ☆

 サンタアニタトロフィー出走予定馬(7月30日 大井 サラ3歳上ハンデ 南関東G
3 1590m)

◎ベルモントアクター (57.5・石崎隆)
○コアレスハンター  (57・内田博)
▲ナイスキングオー  (54・野崎)
△オーミヤボレロ   (未定)
△キングリファール  (56.5・佐藤隆)
△フジノテンビー   (未定)
△コアレスフィールド (56・張田)
 メイショウアーム  (未定)
 クールアイバー   (未定)

 何やら昨年と似たような顔ぶれ。そしていざ予想となっても、あまり新鮮なイメージは浮かんでこない。旧「関東盃」。昭和55年、JRA「安田記念」を意識して創設されたマイル重賞。当時はトウケイホープ、テツノカチドキ、ガルダン、いま名前をあげても胸を張れる一流馬が勝っている。しかし現在は統一Gの狭間に入った南関東限定メンバー。主催者の思惑がどこにあるかはさておき、オープン馬資源が追いついてこない現実だろう。寂しい一因は3歳馬の挑戦がなかったこと。ただし激戦の「ジャパンダートダービー」から2週間。ナイキゲルマンあたりに出走を望むのも、やはりそれはそれで無理がある。

 ベルモントアクターは昨年このレースで船橋記念に続く重賞2勝目を飾った。久々の大井コースに戸惑ったか3~4角まで怪しい手応え。しかし直線あと1ハロン、文字通りミラクルという瞬発力をみせている。それから1年、勝ち星は前々走「マイルグランプリ」ただ1つで、帝王賞5着、東京大賞典4着。かつてデビュー無傷の17連勝、その“神話”を思うと歯がゆいが、逆に一連の内容から自身の適性ははっきりした。ハイペースの短~マイルを差す形がベスト。今回トップハンデは顔ぶれから克服可能な範囲だろう。痛快な追い込みに期待する。

 コアレスハンターはひと息入れて仕切り直し。ハナにこだわらない競馬でどれだけ能力が引き出せるか。鞍上の腕も含め興味が大きい。対して逃げて絶対スピードを生かしたいナイスキングオー、キングリファールはスタート勝負になるだろう。脚質に幅があるオーミヤボレロ、フジノテンビーが穴。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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