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中京記念

  • 2013年07月20日(土) 18時00分
 昨2012年の春にリニューアルされた中京は、昨年が変則の3回開催で「22日」。今年になって、きのう土曜までをカウントして、約3開催の「19日」。合計41日間=492レースが行われたことになる。ただ、知られるように新中京の芝1600mはフルゲートが16頭に限られる(1400mは18頭)。ローカル開催に相当するシーズンがあり、多くの出走希望馬をさばかなければならないから、芝1600mのレースは非常に少ない。未勝利戦、500万条件を中心にだいたい1日に1レース組まれているだけである。

 では、1600万からオープンの「1600m」戦はここまで何レース行われたか。というと、実は昨年の「中京記念」だけである。データ室や、ありえるパターンの目安になるレースは行われていない。1000万の条件戦も計6レース行われたにすぎない。

 芝状態の変化も大きく、レコードは昨年6月の1000万下でエーシンジーラインの1分32秒8。ところがBコースで少々渋っていたとはいえ、3週後の中京記念は発表良馬場で、道中は最後方にいたフラガラッハ(6歳の今年も出走)が外に回って差しきり1分35秒1だった。平均ペースに近いのにレース上がりは36秒0である。

 これを書いているいま、中京の2Rの未勝利戦が行われ、勝った浜中騎手のトウカイバイタルが1分34秒9。新潟、京都で残してきた持ちタイム通りだった。先週の3歳未勝利戦が、アンジュエが勝って1分34秒2。まともな(ふつうの)ペースだと、古馬のオープン戦だから、今年は1分32秒8のレコード(前後半46秒9-45秒9の楽な流れ)更新も可能な時計勝負になるだろうことが推測される。時計は速い。

 ただし、はっきりしているのは、馬場の内寄りの芝は削れているから、ずっと内を回るコース取りは明らか不利なこと。未勝利戦のイメージ、500万の1600mの結果から、差し馬有利、追い込み馬有利は、レベルが低いから長い直線の坂で止まるのであって、古馬オープンの中京記念にはそのまま当てはまるものではないことも予想される。「中京のマイル戦は差し馬有利」には落とし穴があるかもしれない。

 2回の骨折休養や、体質の弱さがあって期待を裏切ることが多かったが、昨年後半からやっと本物になったリルダヴァル(父アグネスタキオン)から入りたい。

 1800-2000m中心の出走で、1600mは【1-0-2-5】にとどまる。だが、ディープインパクトの半姉ヴェイルオブアバロン(父サンダーガルチ)を母に持つリルダヴァル、3歳春にまだまだ未完成の状態でNHKマイルCを1分31秒8(0秒4差の3着)している。3歳秋には富士Sを1分33秒1で小差4着。そして5歳の昨年6月には1分33秒5で楽勝。今春は大外に回ってロスがありながらダービー卿CTを1分32秒9だった。その本質は典型的なマイラーと考えたい。中京は初めてだが、東京のマイル戦の内容からまったく心配ない。

 相手の筆頭は、1400mでも快勝するほどパワーアップしているランリョウオー(父リダウツチョイス)。左回り芝【2-2-0-0】が強気になれる。

 穴馬は、まだ時計の裏付けは乏しいものの、再三の休養で6歳馬ながら上昇が望めるドリームパスポートの全弟セイクリッドセブン(父フジキセキ)。兄ほどシャープな体つきではないが、長期休養から立ち直って目下絶好調と思える。人気薄だから、自由に動ける。

 人気の牝馬ドナウブルーは素晴らしい状態だが、坂のあるコースで56キロ(牡馬なら58キロに相当する事実上のトップハンデ)は厳しいとみて、4番手。

 以下、フレールジャック、ムクドク、ワイズリーが連穴。昨年の勝ち馬フラガラッハは、1分33秒0を切りそうな時計の速いレースでは、オッズと相談の押さえまでだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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