【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・アイビスSD(G3)
・スギノエンデバー
前走函館SS後は、一旦放牧に出されており、宇治田原優駿Sから栗東へ帰厩したのは、7月13日。その3日後には、坂路で15-15の追い切りを消化しており、久しぶりという感覚は持たなくてよいだろう。
負荷の強い追い切りは、7月21日に坂路4F51.5秒。そして、最終追い切りは、ほぼ流すような形で、坂路4F57.6〜1F13.1秒を単走で終えている。このパターンで仕上げられることの多い馬だが、昨夏に北九州記念を優勝した時は、1週前の追い切りで速い時計をマークするという、今回とは違うパターン。好走時との比較という意味では、今回のパターンをあまり過大評価できない。
・ハクサンムーン
高松宮記念以来となった、前走CBC賞は16キロの馬体重増でも2着。ハナに立って、自分のペースで流れをつくれば、好走できるところを見せる内容だった。
中3週の今回は、1週前追い切りと最終追い切りの坂路を2本。西園厩舎としては、特に変わった点はなく、この中間も順調に来ていると判断してよい。最終追い切りは調教時間中に降った雨の影響で、馬場が重くなった時間帯に行われた。そのため、ラスト1Fがやや失速気味の動きで、4F54.3〜1F12.8秒。この内容が悪いとは断言できないものの、平凡な4F時計から考えると、たとえ馬場が重くなっても、ラストの切れを失わないで欲しかった。
◆日曜小倉11R・佐世保S(1600万下)
・テイエムタイホー
3連勝を決めたのが、3走前。その後はオープンで1走して10着。前走は降級戦を3着に敗れてしまったが、このレースを勝ったサドンストームは、次走CBC賞で3着しており、相手が悪かったというしかない。
今回は少しレース間隔が空いたが、中間の調教本数はしっかり。最終追い切りもこの馬らしい、軽快なスピードで併せた相手を圧倒して先着。坂路4F53.2秒は決して速い時計ではないが、力を出せる状態であることは間違いない。あとは、開幕週の小倉芝1200mで勝ち時計は1分7秒台になった時に対応できるか否かといったところ。
◆土曜新潟11R・BSN賞(OP)
・トウショウフリーク
ジュライS(中京ダート1800m)を除外されて、このレースに回ってきた形。そのため、中9週と間隔が空いていても、中間の調教本数は実に豊富。7月10日に追い切られた時点でかなりの仕上がり状態にはあった。
それ以降は、あまり速い時計を出さず、7月24日の坂路での単走がそれ以来となる、本格的な追い切り。坂路4F54.4〜1F12.3秒は時計的に気になるところはない。見た目に動きに関しても全く問題ないが、これまでの休み明けと違って、今回は1週前追い切りが15-15。このあたりが実戦に影響がないとは言い切れないだろう。
・オースミイチバン
2走前ダイオライト記念でハナを切って、勝ち切ったことから、前走もハナにこだわるレースになるかと思われたが、番手に控える競馬。結果的に後続に差されてしまったが、ハナを切らなくても、レースの流れに乗れることは証明できた。
なにより、前走は休み明けが影響したと考えると、ひと叩きされた今回は上積み十分。馬体の張りも前走時よりも良くなっており、最終追い切りも坂路4F時計こそ速くないものの、ラスト1Fが最速になるラップを踏めている。今回もハナにこだわらないだろうが、好位置から、しっかりと伸びるレースをしてくれるはずだ。
【美浦トラックマン情報】
日曜新潟10R・日本海S(1600万下)
・ヴァーゲンザイル
内めを通ったとはいえ、余裕の手応えで好時計をマーク。復調気配を見せた今春から、安定した競馬が続いているが、今回も好気合で上々の動き。好調子をキープしている。前走は4着といっても、エキストラエンドやジェントルマンと僅差の勝負。準オープンはいつでも抜け出せそうなレースぶりを見せた。中山で追い込みを決めたように、一瞬の決め手は、むしろ内回りで真価を発揮する。
・マイネルグート
函館は一戦だけで切り上げて帰厩。美浦からの直前輸送→美浦帰り→新潟へ輸送という厳しいローテーションだが、帰厩後18日・24日と2本の追い切りを消化し乗り込み量は十分。少し余裕があった馬体もこれでキッチリ絞れてくるはず。24日の最終追いは単走だけに時計が平凡だったが、ラスト1Fをキチッと追い、絶好の伸び脚で5F67秒0〜3F38秒2〜1F12秒3。遠征後の疲れもなく最近では一番のデキだ。今回は久々に先手を主張できる組み合わせで、単騎の逃げ必至。内回り2200Mは先行勢大有利のコース。55キロの恵量を生かせばスタコラ。
◆日曜新潟9R・岩室温泉特別(1000万下)
・フェアエレン
暑くなってきたこの時期に、一戦ごと体重が増えているように、充実期を迎えている。今週は格下馬を4馬身追走して、68秒1-38秒5。目一杯追っている相手を横目に、こちらは手綱を押さえるのに苦労しながら、余力十分にゴールイン。走りたくてうずうずしているほどに気合満点。脚どりは鋭く、絶好調をアピールしてきた。じっくり脚を溜める事で爆発力を手に入れた前走。上がり馬らしい勢いもあり、昇級初戦だからこそ配当の妙味が大きく、狙い撃ちする。
・フォルテリコルド
前走の鶴ケ城特別は、ひと息入ったわりに乗り不足のうえ、レース直前の降雨で力の要る馬場が向いているこの馬には不利な馬場になってしまった。それで0.1秒差の3着は地力上位を示した内容。今回は中1週の競馬で4Fから55秒3〜上がり39秒5と直線重視の調教だったが、馬体を持て余すことなく敏感に反応し息使いの変わり身をアピール。これだけ間隔を詰めて使えるのは久々で必勝態勢。
◆日曜新潟12R・3歳上500万下
・ガーネットチャーム
前走の福島戦でもハナ差の2着と能力上位であることを証明したが、どちらかというと不器用なタイプ。福島のような小回りコース得意とはいえず、やはり直線の長い新潟の方が、より適性があることは間違いあるまい。早め早めの位置取りで道中ダラダラと脚を使うより、タメて一瞬の切れ味勝負がベスト。得意の左回りのマイル戦、しかも特別→平場なら、もちろん確勝級としていい。北馬場と坂路併用の乗り込みで、体調も高値で安定。もう取りこぼせない。
◆土曜新潟10R・五頭連峰特別(1000万下)
・ベステゲシェンク
前走の500万下。3ヶ月の休養で馬体がふっくらして見違えるほど成長。レースも中団から抜群の手ごたえで追い上げ、ラスト1F手前で追い出すとケタ違いの瞬発力でグイグイ伸びて最後は5馬身差の圧勝。今回も十分に間隔を開けて入念に乗り込まれ、1週前に5F66秒5を余裕でマーク。すでに馬体は完璧に仕上がっているため直前は5F68秒2〜上がり38秒6と反応を確かめるように終いを重点。それに応えて素晴らしい脚さばきで力強く反応。緒戦からエンジン全開。
・エネアド
昨暮以来で7ヶ月ぶりの実戦だが、7月に入ってから急ピッチに乗り込んで計6本の追い切りを消化。特に11日の2週前追いで格下を追走の形から、ラスト1F余力十分の走りで併入した次の日から、一気に気合が乗り、次の18日には再度相手が格下といえ、7馬身追走から、直線は手応えよく逆に1秒先着と、本来のスピード感満点の好内容を消化。そして24日の最終追いきりも、格下ミヤビエスペランサを4馬身追走から、1F軽く仕掛けて併入。馬体は少し立派な感が残る仕上げだが、十分に乗り込んで息もちは整っている。開幕週のスピード決着は大歓迎で、左回りコースも巧者。降級戦でもある今回はいきなりの好勝負は必至。
◆土曜新潟9R・閃光特別(500万下)
・シンワクイーン
美浦に来てからの調教量は少ないが、牧場で入念に乗り込み上々の仕上げ。稽古駆けタイプとはいえ、今週も押さえ切れない勢いでスピード感満点の動き。気性の勝った馬で、いきなり力を出せそうだ。新潟は新馬勝ちしたコースだし、千メートルに限っては、オープンまでいったエバーローズにチギられたのものの、その後アッサリ勝ち上がって連帯率10割。この距離では、今後もかなりの活躍を見込めそうだ。
・スターゲイジング
前走まで使い詰めできたが、得意の千直に合わせ、ひと息入れてリフレッシュ。今週はウッドチップで84秒1―67秒6―38秒2、余力を残しつつ、最後まで鋭い脚どりを披露。牝馬にしては大きい体の持ち主だが、動き・体ともに重苦しさはなく、気合のりの良さが目立っている。スピード任せでは、残り200でバテてしまうのが千直。経験が強い武器になる条件で、すでに6戦をこなしているのは大きな強み。鞍上には西田騎手、条件・状態ともに揃え、降級戦になる今回は勝ち負けの競馬になる。
◆土曜新潟12R・3歳上500万下
・ダイワフェリス
春に復帰を予定していたが、体質の弱さがあってここまで待つ形に。しかしその甲斐あって、再度トレセンに戻ってからは順調に乗り込みを消化。直前も強く追う必要がないほどで(73秒0〜56秒2〜40秒6=馬なり)、大型馬とはいえ態勢は十分に整っている。五百万を勝った時が強い内容で、一千万からの降級なら能力的には断然上位。素軽い先行力と粘り腰が大きな武器。さらに、左回りが得意となれば、新潟コースは間違いなく合うはず。いきなり狙う価値がある。