有力勢が福島競馬場から転戦している。
小回りのローカルコースという共通項を持ちトラックの大きさもほぼ同じだ。
それでも特色は違う。
夏の日射しをいっぱいに浴びて乾いた野芝で戦う。
小倉競馬場の芝コースは時計の速い決着が多いのである。
ほぼ同じメンバー構成であってもより南国の地に適した脚質の馬を選択する。
小倉記念ではその作業が必要ではないかと思う。
舞台は芝の2000m。
1角過ぎから向こう正面にかけて下り坂が続いたのちは平坦になり再び下り坂に。
残り400mを迎えたあたりでまた平坦に戻ってゴール板を迎えるという設定である。3〜4角は緩やか。つまり下り坂を利用してスピードを持続したまま追い比べに持ち込めるのだ。
一昨年はレースレコードの1分57秒3で決着しており昨年も同タイムだった。
時計が速くなれば外枠でハンデを背負った馬はマイナス材料が増える。
その点を頭に入れておくべきかもしれない。
日曜から気温が上昇傾向という天気予報を踏まえても今年も速い時計への対応が明暗を分けることになりそうだ。
特徴としては中央場所で活躍馬を送り出す種牡馬リーディング上位の産駒が強いということか。
ローカルコースではあっても小倉競馬場の芝・2000mは地力が要求されるステージなのだろう。
エクスぺディションを推す。
小柄で皮膚が薄く発汗がいい。
ステイゴールド産駒で夏場に強いタイプの特徴を幾つも持っている。
芦毛についで熱を吸収しないといわれる栗毛でもある。
繋が長く身のこなしがいい。
馬場が緩かった前走の七夕賞では馬場の外を回るロスもこたえて7着に敗れたが当コースではマイナス材料がほとんどない。
ポイントは57キロのハンデだろう。
ただこれも前々走の鳴尾記念(別定戦)で56キロを背負って2着に入っている。
当時の質の高いメンバー構成を考慮すれば今回の軽量馬相手でも割り引く必要はないと考えている。
メイショウナルトは好位で我慢が利くうえペースの違いにも戸惑いを見せない。
53キロで4番枠。ハンデと内枠に恵まれ当コースと相性のいいハーツクライを父に持つ。一発を狙える好機だろう。
セイクリッドセブンは折り合い面に進境を見せているとはいえ小回りコースならより流れに乗りやすい。
母の父がト二ービン。このレースに強いグレイゾヴリンの血が入っており魅力のある馬だ。
ダコールの前走は発馬1馬身遅かったことで外々を回らされた。
小倉競馬場では勝負どころからスピードを持続できるよさが生きる。
タムロスカイは今回、3番手あたりで流れに乗れるのではないか。
前走は4角でもまれたのがこたえたのだろう。勝負どころで早めに動けば持ち味が出そうだ。
タガノエルシコは自分の型を持ち父系母系ともに晩成で活気がある。
内枠と55キロを利しての直線勝負に期待したい。