【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・関屋記念(GIII)
・ジャスタウェイ
前走エプソムC2着後は、吉澤ステーブルWESTで調整し、栗東に帰厩したのは、7月18日。それからすぐに坂路で15-15を開始しているが、レース間隔が空いているような印象は全くなく、むしろ暑いこの時期が適しているのかと思えるくらい、馬体は充実している。それを象徴するような動きを見せているのが、この中間。1週前追い切りでは、ビームライフルを追走して先着。最終追い切りでは、シャドウバンガードを追走し、並びかけるところで相手を威圧するような格好で先着。時計の4F53.8〜1F12.2秒も終い重点ながら優秀。夏場で重苦しい動きをする馬もいる中、本当にフレッシュな走りを見せていた。
・ドナウブルー
昨年優勝したレースも、今年は中京記念を使っており、ローテーションが違う。中2週は過去に2戦して、掲示板にすら載れていない。間隔が詰まったことで、昨年同様のパフォーマンスができるかどうか、これが重要になりそう。調教過程は、過去2戦とは違い、1週前追い切りをきちんと消化。最終追い切りを併せ馬を行い、先着したというのは、NZT時と同じ。ただ、追い切り本数が違っており、過去2戦とは全く違うパターンでの仕上げとなっている。追い切りを見るかぎり、ラスト1Fの伸びもしっかりしており、前走の疲れなどは一切ないはず。
・フラガラッハ
前走で中京記念を連覇。それまでの二桁着順が嘘のような快勝だったので、中京競馬場に適性が高いというのは間違いないだろう。ただ、調教面から見ても、最終追い切りで速い4F時計をマークすることは、好走凡走のバロメーターになると見ている。前走時は自己ベストを更新する、坂路4F50.3秒。それが、今回は終い重点の4F54.3秒。動きが悪いということは全くなく、むしろ豪快に手前を替える走りは前走のレースぶりを彷彿させるようなところはあるが、時計が出ないと好走していないという、過去の調教過程を考えると、今回は評価できない。
・ランリョウオー
前走は初重賞挑戦にも関わらず、1番人気の支持を受けて10着。人気に関しては、当日の浜中俊騎手の好調が押し上げた印象もあるが、レース内容としては、決して悪くなかった。中2週と間隔が詰まる今回だが、中間の調教本数はいつもと変わりなく多い。最終追い切りも、前走時とほとんど変わりなく、単走で坂路4F54.6秒。動き自体は前走時も非常に良かったので、それを保っているという感じ。重賞慣れした今回は前走以上に走れても不思議ない。
◆日曜小倉11R・阿蘇S(OP)
・スタッドジェルラン
前走ジュライSで約2年ぶりの勝利。今回の舞台、小倉ダート1700mは2年前に勝っている舞台だけに、左回りから右回りに替わるという条件も決して不利ではない。中3週のこの中間も、調教本数もごく標準で、相変わらず順調な調整過程。最終追い切りは、終い重点で4F55.1〜1F12.5秒。前走時の最終追い切りよりも、少し時計が遅くなっているが、ラップの踏み方は大きく変わっておらず、年齢的なことを考えても、前走から状態が大きく上下動しているというよりも、至って変わらない状態という感じだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・関屋記念(GIII)
・ニシノメイゲツ
良績は夏場に集中型。いわゆる夏馬と言っても良いぐらいで、昨暮の休み明け後の5走は全くレースにならなかったが、前走の福島TVOPはメンバー中2位の上がり3Fのタイム。8着に終わったといえ、直線に入ってからの伸び脚は復活を印象づけるもの。年齢的に以前よりズブさを増していることは確かで、追走で苦労することがない新潟外回りコースは好都合。昨年の夏は小倉遠征で末脚の爆発力が生きなかったが、今夏は終い勝負でも通用するコースだけに変わり身が期待できそう。7日の最終追い切りはポリトラックに入り押さえた内容だったが、それでも5F68秒9〜3F37秒9〜1F12秒9を持ったままでマーク。さらに上積みが期待できるデキは確か。思い切った待機策から直一気の大駆けだ。
◆日曜新潟10R・瀬波温泉特別(1000万下)
・タイセイスティング
前走の彦星賞は中間の稽古量が少なく、直前の追い切りで集中力を欠いてハミを抜いた。それでも実戦では2頭併走の形で先行し、最後までしぶとく粘って地力を示した。今回は中間入念に乗り込まれ、直前の追い切りは余力を残して5F67秒4〜上がり38秒4。タイムは前走時とほとんど変わらないが、最後の1Fの反応は格段の違い。今度は直線楽々抜けだして圧勝までの期待。
◆日曜新潟9R・浦佐特別(500万下)
・クロスボウ
2週前までは多少重さが残る動きだったが、先週から同馬本来の動きに戻ってきた。今週はフェイマスシーンとメジロコウミョウを外から追走して、終始素軽さ満点の動き。大型馬でも太め感なく、力を出せるデキと思える。新馬戦で鮮やかな追い込みを決めたように、鉄砲が効くタイプだし、GIIIの京成杯で0.2秒差の競馬をした能力はここでは一枚上。外回りの長い直線なら追い込める。
◆日曜新潟12R・3歳上500万下
・アイティクイーン
間違いなく一戦ごとに上り調子。大柄な短距離馬に共通する「コズミ」はあるが、これは状態が良い時ほど表面に出てくるもの。角馬場でほぐしている時にはゴツゴツとしていて見映えは悪いが、走ってしまえばまるで関係なし。すこぶる良好な状態での出走となる。それが証拠に、この暑い時季だというのに、日曜〜水曜にキチンと追い切りを消化(水曜はポリトラックコースを馬なりで67秒6〜52秒6〜38秒2)。時計以上のスピード感を示していた。新潟の芝1000Mは、これまで3、2、2、3着と適性十分。枠順に大きく左右されるレースだが、上手く外枠を引けるようならチャンスは十分。しかも今度は牝馬限定戦でもある。
・ヨシカワクン
先週はポリトラックでイチオクノホシと併せて、66秒9-37秒4-11秒9。2秒7と大きく先行していたとはいえ、直線は手応え優勢に余力を残して楽々併入。重賞で好勝負している馬に鋭さ負けしなかった伸び脚は、特筆の動きだった。今週は終い重点に軽く流して来た感じだったが、それでもポリトラックで51秒4-36秒9。スピードの違いを強烈にアピール。初勝利を決めたこの千直にピタリと照準を合わせ、一変の競馬を見せてくる。
◆土曜新潟11R・新潟日報賞(1600万下)
・ラインジェシカ
昨年のこの1戦は開幕週の高速馬場。そのうえ別定重量での1600M戦。この戦いにて5着と健闘後4、6、2着と好調が続いたが、休養に入って今年2月に復帰後は惨敗を重ねて不本意なレースぶり続き。それでも上がり3Fは34秒台を切る決定力に衰えはなし。夏場に強いタイプ、得意の新潟コース、恵量52キロ、ハイペースになりやすい内回り1400M戦を考えると一発大駆けの魅力は十分にある。前走後は坂路中心の調教だが、追い日ごとスピード感十分の内容を消化し、春の不調を脱出しそうな気配は確かで、太めが絞れれば牝馬特有の一瞬の切れ味の復活に期待。
◆土曜新潟10R・三面川特別(1000万下)
・チャーチクワイア
前走は東京のマイル戦を1分32秒8、500万への降級で力の違いを見せつけて圧勝。このクラスで戦っていた前2〜3走は、直線で前が壁になり、仕掛け遅れや力を出し切れない競馬が続いていただけ。もともとこのクラスでも上位の力を持っている。暑くなってきたこの時期だけに、間隔を十分に取っているのは良いローテーション。直前はウッドチップで67秒6-37秒8、押さえるのに苦労するほどの手応えで、余力・気合のりともに満点の内容だった。昨年もこのレースを使い、その時は大敗しているが、重賞を使った後の休み明け。今回は昨年と状態一変、爆発的な瞬発力の持ち主で新潟外回りコースが合わないわけがない。
・ブリッジクライム
最終追い切りは坂路になったが、1週前にウッドコースで65秒台をマークする意欲的な調整。強めに追ったことで、今週は動きに素軽さが出た。月イチのローテーションを守り、好調子をキープしている。昨年の三面川特別で、ゴールデングローブにクビ差の2着。好時計で走ったように、コース適性は、かなり高そうだ。秋華賞で、あのジェンティルドンナと0.3秒差の勝負をした馬。ここでは能力が違う。
◆土曜新潟9R・新発田城特別(500万下)
・ダークマレイン
前走の種市特別。前に馬を置かなくても後方でジックリ脚をタメられたが、直線大外を回されるロスのぶん、脚を余して0.1秒差の4着。1200M戦は2戦続けて同じ競馬になってしまった。この中間も順調に乗られ、直前の追い切りは前走以上に積極的に追われ、ウッドコースで5F66秒8〜上がり37秒7を余力残しで計時。重心の低いスピード感満点の走りで相変わらずデキの良さをアピール。1400Mの新潟コースなら差し切り濃厚。
・マックスストレイン
3コーナーでの不利が痛かった前走の福島戦だったが、ラストはしっかり伸びて、勝ち馬からコンマ1秒差の4着。詰めの甘さは残るものの、毎回中身の濃いレースを続けているとおり体調絶好。典型的な「夏場に強いタイプ」としていい。さらにレース後に、手綱をとった戸崎騎手が「ズブさが出てきた」とコメントしていたとおり、1200Mでは若干忙しくなっていることも事実。ということで、舞台が変わる新潟の1400Mなら十分に力を出し切れるはずで、特別戦のこのメンバー相手でも、好勝負を期待していい。