スムーズに思い通りに走ることの難しいのが競馬で、まして、どの馬にも脚が余っているケースでは、その傾向は一層強いものになります。
先日の関屋記念も、そんな典型を見る思いがしました。
長い新潟外回りの直線、どの馬も勝負はここにあると考えていたでしょう。直線に向くまでは動かず、600mを切ってからスパートのタイミングをはかる。従って、逃げ、先行で実績のある馬は、あわやと思わせる粘りをみせます。これを追う各馬は、どれにも脚があるので、進路のとり方で運、不運が生じてしまいます。
上がり3ハロンが滅法速い、この連続ですから、あまりじっくり構えていたのでは突き抜けるチャンスの得られないまま終わってしまうのです。着順には関係なく、どれもがいい脚は発揮していたので、次を考えるときには、その辺の情況を頭に入れておかないことには、正解に近づけないということです。
それにもう1点、ここが目標であるのかどうかです。通過点として、秋の大きな目標を見ている馬もいるので、必ずしも遮二無二戦わないということもあるでしょう。このケースでは、ローカルコースよりももっと力を出せるコースが他にあり、勝つにこしたことはなくても、先の見通しが立てばいいというケースになります。上がり重点の平坦馬場というローカル重賞の特徴をしっかり頭に入れておけば、結果をより冷静に受け止められます。逆に上がり馬といっても、どういうレースであったかを把握しておいて、秋に入ったときに、そのケースに当てはまるかどうかの吟味を加える作業に重点をおくべきでしょう。とにかく、この先の秋競馬を切り離してこの夏を見るべきで、そこのところを踏みはずさなければ、夏は夏なりの楽しみ方が見つかる筈です。勝因と敗因の分析、これをしっかりやっておく時なのでしょう。