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新潟記念、小倉2歳Sなど追い切り診断

  • 2013年08月29日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念(GIII)
・エクスペディション
 昨年は小倉記念を勝って、このレースに出走して4着。今年は休み明けの鳴尾記念こそ好走したものの、それ以降はこの馬本来な豪快な差し脚は見られていない。特に前走時は好走パターンにあたる、速い4F時計を出して目一杯に追われる仕上げだっただけに、レース内容は物足りない。ここまでの戦績はともかく、昨年時との中間の調教について。まず、3本の追い切りがあった昨年と違って、今年は2本。そして、最終追い切りは浜中俊騎手が跨って、4F51.3秒だった昨年に対して、今年は調教助手が跨り、ニューダイナスティに遅れて、4F53.6秒。これまでの好走時と違うパターンでの仕上げだけに、高い評価ができない。

・ダコール
 3か月ぶりだった新潟大賞典から、重賞を3走して、3着、5着、4着。掲示板を外していない堅実さがある一方、不得意の雨馬場の影響もあって、勝ち切れないという状況も続いている。今回は中3週だが、中間には、いつも通り、大山ヒルズでのリフレッシュを挟んでおり、状態に関しては問題なさそう。最終追い切りの内容も、ここ一連のレースと同じく、ある程度時計を出しながら、力強い走り。状態に関しては全く問題ないだけに、新潟の長い直線を味方にできるかどうかといったところ。

・トレイルブレイザー
 昨年の京都記念を勝って以降、国内外でのレースで惨敗が続いていたが、七夕賞では、58キロを背負いながら、見せ場十分のレースぶりだった。その時の最終追い切りはCWコースでラストの反応が良く、いい動きだった。対して今回は2011年ジャパンC時(4着)以来の最終追い切り坂路。時計は好走時とあまり変わらないが、併せ馬で遅れたのは不満。アルゼンチン共和国杯時は一杯に追う相手に追走して馬なりで併入している。前走後からの乗り込み量は豊富だが、最終追い切りの動きは決して高い評価はできない。

◆日曜小倉11R・小倉2歳S(GIII)
・エイシンキサナドゥ
 デビュー前から坂路4F51.9秒を出し、CWコースでもしっかり動けていた馬。デビュー戦は単勝1.8倍の支持を受け、しっかり期待に応える快勝だった。この中間は中1週になるが、予定通りのローテーション。一旦、栗東に帰ってきて、再度の輸送になるが、決して調教を緩めているということはなく、しっかりと調教されている。馬の状態は、使う前よりも緩急のつく走りができており、反動よりも上積みが期待できる状態。最終追い切りはCWだったが、鞍上松山弘平騎手の指示通りに反応して、古馬に先着する併せ馬。前走以上のパフォーマンスを期待できる状態だろう。

・ベルカント
 単勝1.5倍の支持を受けた新馬戦は、好スタートから先頭に立って、そのまま押し切り。2着に5馬身つける圧勝劇だったが、レースセンスがよく、単に逃げたというだけではなさそうな走りだった。今回は中3週のレース間隔だが、圧巻は1週前追い切り。坂路でマッキーコバルトとの併せ馬だったが、追走して先着する動き。4F51.4秒は自己ベストを更新しているし、何より1600万下に先着するあたり、スピード能力の高さを感じさせる。最終追い切りは単走だったこともあり、ややフラついたような形で、坂路4F53.2秒。それでもラスト1F12.0秒だから、まだまだ可能性を感じさせる馬。今回はハナに立つ競馬はできないかも知れないが、その方が、この馬の真価が発揮されるかも知れない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟記念(GIII)
・ブリッジクライム
 秋華賞ではジェンティルドンナにコンマ3秒差の4着。その実績からすると、足踏みしていた感じだが、前走でその力を再認識。前走は新潟の1800にしては、1000通過57秒4と超のつくハイペース。流れが向いたとはいえ、後続に2馬身半もつける圧勝劇。距離短縮が大きかった印象で、今までにはない爆発力を見せてきた。牝馬限定戦とはいえ、かなり好メンバーが集まっていた一戦だけに、その強さは強烈なインパクト。その反動は心配だが、今週はウッドチップで68秒6-39秒3。直線セーブしたために時計は平凡だが、バネを利かせた走りは鋭さ満点。馬体減りもなく、引き続き絶好調をアピールしていた。重賞挑戦とはいえ実績は互角以上、51キロのハンデも有利で狙い撃ちする。

◆日曜新潟10R・麒麟山特別(1000万下)
・サクラレグナム
 水曜の追い切りでは、戸崎騎手が手綱をとって単走で。道中、インを回ったとはいえ、持ったままで64秒8〜49秒7〜36秒7は出色の好タイム。さらに調子を上げていると見ていい。休養前には1000万でも好走実績のある馬で、ここは昇級といっても形だけ。現在の充実ぶりなら、連勝も十分に可能だろう。テンに素軽さのある馬で、新潟のダート1800メートルなら再度積極策で強気な競馬ができるはず。時計もさらに詰められるはずで、もちろん大きな期待が持てる。

・トーセンセカイオー
 7月7日の福島彦星賞以来で中7週レース間隔があいたが、7月20日以降計7本の追い切りを消化しており、まさに夏場を無事に過ごしタップリと乗り込んでの出走。28日の最終追い切りは2歳未勝利馬を5Fで3馬身追走から、直線持ったままの手応えで優勢併入。5F67秒9〜3F38秒9〜1F12秒9の時計は相手なりということもあるだけにこれで納得。毎週のように併せ馬で追っていることもあり、息もちに関しても万全の状態は確かで、馬体面もキッチリ仕上がっている。1800戦は1ハロン短い感もあるが、今の力が要る馬場は大歓迎。上がり3F37秒台決着になれば向正面からロングスパートで台頭は可。あとはスタートを互角に出て中団追走なら好勝負。

◆日曜新潟12R・稲妻特別(1000万下)
・コンサートレディ
 この中間はビッシリ追っていないが、水、日、水曜と意欲的な乗り込みで素軽さ満点の動き。夏に強い牝馬という言葉通り元気一杯。好調子をキープしている。初の1000メートル挑戦になった駿風Sはスタートの出遅れが敗因。前走も外枠で前に壁ができず、テンにかかりぎみ。そのぶん伸び切れなかったという印象。折り合い面の心配がない、この距離は、むしろ向いているはずだ。

◆日曜新潟9R・村上特別(500万下)
・リアリーラヴユー
 前走の500万下。前々走に気性の難しい面を見せたため、舌を縛ってハミを工夫。その効果があって後方で折り合って脚をタメられた。直線入り口で一瞬前が壁になったが、馬群を捌いて一気に伸びて2着。この中間はスムーズなコーナーワークができるようにめずらしくウッドコースだけの調教。直前の追い切りは同格インナーアージを4Fから1秒2追走して53秒5〜上がり38秒4を抜群の手ごたえで計時。強烈な末脚発揮は新潟の1400がベスト。

◆土曜新潟9R・燕特別(500万下)
・ウインフロレゾン
 適鞍がなかったため、たっぷりと間隔をあけて、新潟最終週の2200メートル戦へ。切れ味には欠けるため、瞬発力勝負(上がり3ハロン勝負)になると分が悪いが、逆に長くいい脚が使える馬。新潟のこの距離はベストの条件に近い。強い内容で五百万の2400メートルを勝った記録があり、再度このクラスへの出走ならいつでもチャンスはあるはず。北馬場と坂路併用で乗り込みは十分すぎるほど。使い込まれて時計のかかる芝コンディションも、もちろんプラスに作用するはずだ。

・マジックポスト
 近くにいたカワキタグロワールが終いセーブしたせいで、直線は単走の形になったが、好気合で素軽さ満点の動き。中1週だけに、前走時のようにビッシリ追わなかったが、気合のりも良く、好調子をキープしている。未勝利時から質の高いメンバーと戦っていた馬で、前走の好走は当然とも思えるもの。馬体の良さから、上のクラスでも戦えそうな馬。好調時にこの相手関係なら、間違いなく好勝負できる。

・ビッグバンドジャズ
 前走の出雲崎特別。スローペースを後方からの競馬。直線は外からいい伸び脚を見せたが、脚を余した形で0.1秒差の3着。この中間は1日おきに坂路とウッドで時計を計示し入念すぎるほどの調教過程。そして直前の追い切りも同格ローレルキングダムを5Fから2馬身追走して67秒5〜上がり37秒3を余力残しで圧倒し3馬身ほど先着。攻め強化しての好反応。前走からのチークピーシーズの効果もあってさらに集中力を増した感。今度はスローペースでも追い出すタイミングを間違えなければ差し切り濃厚。

・レッドルーファス
 函館から帰ってきたが、8月半ばには美浦で調教を再開。坂路を交えて豊富な乗り込みを消化している。1週前にウッドチップで65秒8の好時計を、馬なりのままマーク。今週は調整程度で72秒1−41秒7とセーブしたが、それでも体全体を使った走りは迫力満点。一戦ごとの変わり身が大きく、素質馬が軌道に乗ってきた。まだまだ上が狙える馬、昇級戦でも器の違いを見せつけてくる。

◆土曜新潟11R 長岡S(1600万下)
・ラロメリア
 除外があってここまで待たされた形だが、それだけ調教量は十分に消化され、3か月ぶりの実戦といえ仕上がりに関しては万全。特に28日の最終追い切りが圧巻の動きで、先行する2才未勝利馬サクラエフォートを4Fで3馬身追走から、直線持った切りの手応えでアッサリ交わして逆に2馬身先着。4F52秒4〜3F38秒3〜1F12秒7の好タイムで駆け抜けた。馬体重は440キロ以上ありそうだが、元来休み明けはフックラとした体つきで出てくるタイプ。太め感なくいきなりの態勢。新潟コースは相性が良く、距離1600も守備範囲だけに、あとは折り合って直線勝負に徹すればチャンス十分。

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