【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・セントウルS(GII)
・ハクサンムーン
アイビスSDは最終追い切りで物足りなさを感じたものの、レースは快勝。直線競馬の適性の高さ、そして、多少追い切りで動かなくてもレースで結果が出るタイプということを思い知らされる結果となった。今回は中5週のレース間隔で追い切り2本。これは、標準的なローテーションと追い切り本数の関係から、少ないと判断できるが、この馬に限っては、これがパターン。その点は心配ないし、最終追い切りは精神的に成長したことを感じさせる、1Fごとにラップが速くなる内容。スピードのコントロールができるようになれば、一介の逃げ馬というわけではないはずなので、直線での粘りが更に増しそう。
・ロードカナロア
当初はスプリンターズSへ直行するローテーションの予定だったが、栗東での調整が至極順調ということで、このレースを使うことに。もともと暑さに強いタイプではなかったが、8月下旬から涼しくなりつつあるだけに、そういった気候条件もこの馬に味方している。1週前追い切りでダッシャーゴーゴーを煽る動きを見せていたが、今週の最終追い切りも圧巻の走り。岩田康誠騎手が跨ったということもあり、かなり気合の入った走りだったが、坂路4F53.3〜1F11.7秒は素晴らしいの一言。絶好調時に比べると、少し重目という印象はあるが、それは当然のこと。中間も含め、追い切り内容からは、文句のつけようがない。
・ドリームバレンチノ
函館SSは1週前追い切りを栗東の坂路で単走追い、そしてレース週は函館競馬場のWコースで単走追い。どちらも全体時計が遅く、馬なりという、非常に負荷の軽い内容。59キロという馬体重を考慮すれば、さほど仕上げる必要はなかったかも知れないが、あの位置から伸び切れなかった敗因は調教内容から明白。今回は前走とは一変、攻めの内容。1週前、レース週ともに併せ馬で目一杯に追われて、先着。1週前に関しては、4F時計も速く、文句ない。馬自身も完全に戦闘モードに入っており、前走からも巻き返しは必至。あとは力関係だけだろう。
◆日曜中山11R・京成杯AH(GIII)
・ダノンシャーク
今年の春シーズンは3戦して、京都金杯1着。前走の安田記念でも3着と好走しており、非常に安定した成績を残せている。栗東へ帰厩してからの追い切りは、いつもと変わらず、坂路で時計を出すスタイルだったが、1週前追い切りで、初めてCWコースを利用。併せた相手エーシンエムディーが動きすぎたので、こちらの動きは目立たなかったものの、時計も速く、中身の濃い追い切りだった。そして、今週もCWでの併せ馬。追走した先週と違い、今週は先行する形。直線、スマートレイアーが詰め寄ってくるも、最後まで抜かさずに先着。昨年の秋は毎日王冠(5着)からの始動だったが、当時よりも仕上がり状態は良さそう。
・ワイズリー
前走の関屋記念は見せ場十分のレース内容で5着。2走前の中京記念から、5着を続けているが、ひと頃の後方一気の競馬ではなく、ある程度の位置につけて、終いも脚を使うという走りに安定味が出てきた。もともと、坂路での追い切りは終い重点で行われることが多く、今回もいつも通り。1F目を14.4秒で入り、後半を2F24.9秒にまとめて、ラスト1Fが最も速くなるラップ。中3週というレース間隔の割には、速い時計の追い切りがこの1本だけだが、夏場に使い続けていることを考慮すれば、15-15がこれだけの本数あれば十分。調教内容から、特に問題視するような点はない。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・京成杯AH(GIII)
・ゴットフリート
5月のNHKマイルC以来4か月ぶりの実戦。放牧先から8月中旬美浦に戻り、25日から追い切りを再開。28日の1週前追いでビシッと追った効果からか、4日の最終追い切りは気合いがグーンと上向き、動きもスピード感十分に1600万下条件ローブドヴルールをアオッた。5F標で2馬身追走から、直線は持ったままの手応え。ラスト1F相手が強めに追うところを、最後まで手綱を絞ったままでゴールイン。5F67秒6〜38秒4〜1F12秒4の時計は平凡でも、残り100で重心が沈んだ走りはまさに本来のもの。これで9分通り仕上がってきた。4月のニュージーランドTは発馬後の躓きが響いて9着も、GI朝日杯FS3着の実力は古馬相手でも十分に通用するはず。53キロの恵量、瞬発力比べで好勝負だ。
◆日曜中山12R・3歳上500万下
・フルヒロボーイ
戦列に復帰してからは、勝てないまでも3、2、2着と安定感たっぷりのレースぶり。以前は一千万条件で好走記録のある馬で、500万に降級すれば、やはり能力的には一枚上といえる存在。今回あたり、アッサリがあってもいいだろう。少しリキんで走るところがあるので、距離は少しでも短い方が良いタイプ。1600〜1700メートル戦を使われていた時期もあったが、やはりベストはダートの1200としていい。前走の新潟戦のあとは、たっぷりと中3週あけて万全といえる出走態勢。今回は主戦の蛯名騎手(騎乗停止中)から石橋脩騎手に乗り替わるが、テン乗り実績はこれまで数多くあり、まったく問題はないはずだ。
◆土曜中山11R・紫苑S(OP)
・セキショウ
前走の大倉山特別。馬体はスッキリ仕上がっていたが、いつも勝負どころでスーッと上がっていく脚が見られず反応ひと息。直線も伸びあぐねて9着と惨敗。函館の重い芝が合わなかったとしか思えない内容。今回は中2週のレースで5F69秒0〜上がり38秒0と終い重視の調教。叩かれたことで筋肉も締まり体の切れが変わってきた。軽い馬場で時計勝負にも十分対応できる馬。今度は3歳馬同士の手薄なメンバーで巻き返す。
◆土曜中山10R・鋸山特別(1000万下)
・スギノハルバード
ダートに路線を移して、1、3、1着。状態のほうも充実期を向かえ、絶好調をアピールしている。今週はウッドチップで85秒9-70秒6-41秒0。水曜日は降雨でバテる馬が続出したが、グリューネヴォッヘを2秒6追走から、馬なりのまま半馬身先着してゴールイン。もともと稽古駆けするタイプではなかっただけに、走る気満々の鋭い走りは、ひと際目立つ内容だった。まだまだ上が狙える素質馬、昇級戦の不安よりも今の勢いに注目する。
◆土曜中山9R・アスター賞(500万下)
・ウインマーレライ
前走後は涼しい函館に移動して入念な乗り込み。今週は3歳のジョバイロを追走して、終い力強い伸び脚。動きに重さがなく、力は出せるデキと思える。初戦は若さを見せて直線ヨレぎみだったが、レース慣れした前走は、外を回って力強く抜け出した。懸念された小回りでも、着差以上の強さを見せた。抜群の稽古内容から、ポテンシャルの高さを感じる馬。ここも一気に通過できる。