阪神競馬場の改修後は現行の芝・1800mが使用されている。
それ以前の芝・2000mの時代と傾向に大きな違いは見られない。
コース形態こそかなり異なるが春のクラシックの有力勢が参戦することが要因だろう。
過去10年を振り返ると秋華賞の連対馬20頭のうち16頭がこのローズSに出走している。
当レースがいかに本番と密接に結びついているかがわかるデータだ。
春の有力どころが顔をそろえるのは事実だが必ずしも実績通りに収まっているわけではない。
外回りの芝・1800m戦で争われた最初は07年。ダイワスカーレットが勝ち、人気順に上位を3頭が占めた。
ジェンティルドンナが制した昨年も同様である。
この2年を挟んでの08年から11年までは馬単万馬券が2回。8000円台が1回に4000円台が1回。
1番人気が連対した09、11年はいずれも相手が伏兵だった。
おもしろいのは両年ともオークス以来の2頭でワンツーを決めていること。
伏兵とはいえ春に大舞台を踏んでいるのだ。
またクイーンS、白百合Sからの参戦にも注意が必要である。前者は古馬にもまれたことが糧になるのだろう。後者は勝って挑むことが条件になる。
個人的に意識すべきポイントととして“直線の長さ”に見合った競馬ができるかどうかということを挙げてみたい。
例えば11年に7番人気で3着に入ったキョウワジャンヌ。1000万下、それも芝・1400m戦を勝っての参戦である。
この馬の場合、伏線があった。コーナーが2つの短めの距離を使われてきておりカテゴリーは違ったが、ホームストレッチを非常にいいフォームで走っていた。
当コースは懐が深く急坂もある厳しい設定。向こう正面とホームの直線が長い形態はそれだけスピードの持続力を問われる。
現時点で器用さは感じられなくても直線をリズミカルに走る馬や末脚のしっかりとした馬には警戒が必要なのではないかと思う。
コレクターアイテムを推す。
上半期の2戦は精彩を欠いた走り。
精神面が伴っていない印象で全体的にメリハリのないレース内容だった。
オークスを自重して充電に入ったのが功を奏したのだろう。
桜花賞当時とは見違えるほど、きりっとした外観を誇る。
気温が下がるこれからの時節が体質的に合うのかもしれない。
本来は勝負根性があり道中でも我慢が利く。
身上の決め脚を発揮だ。
ノボリディアーナは成長が著しい。
前々で速やかな立ち回りを見せ平均的に速いラップを刻むことが可能。
反応がいいことから早めのスパート+二枚腰というふたつの武器を存分に生かすことができる。
エバーブロッサムはひと夏越えて実が入ってきたようだ。
身体全体の線がきれいに映り、眼は活気がある。
スピードを持続できる良さを持ち追い込み型の割りに展開に左右されにくい。
大崩れが考えにくいタイプだ。
デニムアンドルビーの前走は二の脚がつかず位置取りの差が出た。
右回りのほうがスムーズな走りができる印象が強い。コース形態も合う。
ウリウリは実戦を重ねて体力がつき、前走はこれまでより前のポジションでしっかり折り合い楽々と抜け出した。
体重が増えていたように充実一途だ。
セレブリティモデルは瞬発力勝負では少々分が悪いがそれでも以前より軽快さがアップしている。
古馬相手の重賞でもまれた経験も強みになる。
レッドオーヴァルは脚が伸びて体型が変わってきた。春はいかにも短距離向きの身体つきと走法でオークスは明らかに距離が長かった。
いまの雰囲気なら1800m戦でも問題ないだろう。コーナーが2つで直線が長いコース自体には向いている。