アグネスタキオン
◆名種牡馬×名競走牝馬=“幻”の三冠馬 プレーと采配は別物。名選手が名監督になるとは限らない。競馬の世界にも「名競走牝馬、必ずしも名繁殖牝馬にあらず」という言葉がある。名種牡馬×名競走牝馬。この至極の配合なら、次々と一流馬が誕生してもよさそうなものだが、これがなかなかうまくはいかない。
だが、半世紀に1頭出るか出ないかの確率で、その難題をクリアする名種牡馬が誕生する。自分の長所を余すところなく伝え、一方で配合牝馬の資質の高さ、血統の良さも巧みに取り込むのだ。日本に未曾有の血統革命を巻き起こしたサンデーサイレンスが、まさにその併せ技の持ち主だった。
この種牡馬の天才的な和合性は、「サンデーサイレンス×名競走牝馬」の配合が、名馬を世に出す“勝利の方程式”をつくり出すこととなった。桜花賞馬に輝いた名牝アグネスフローラが、2年連続で送り出したアグネスフライト(日本ダービー)、アグネスタキオン(皐月賞)の全兄弟がその好例である。
アグネスフライトよりも能力はさらに上。それがアグネスタキオンの牧場での評価だった。デビューは2歳の12月。調教が目立たなかったため3番人気だったが、確かに驚異的な末脚を繰り出して3馬身半の快勝。続くラジオたんぱ杯3歳S(現ラジオNIKKEI杯2歳S)もレコードで圧勝した。
2着に敗れたジャングルポケットは翌年の日本ダービーを、3着のクロフネはNHKマイルC、ジャパンCダートを勝っている。そのハイレベルなメンバーが集まったレースで、アグネスタキオンは次元の違うスピードを見せつけて、クラシックの最有力候補に躍り出たのだった。
ラジオたんぱ杯3歳S(現ラジオNIKKEI杯2歳S)もレコードで圧勝したアグネスタキオン
明けて2001年。馬の年齢表記が、この年を境に従来の数え齢から、満年齢へと変わっている。3歳の初戦に弥生賞が選ばれたが、その能力の高さは関東にも知れ渡り、恐れをなして回避馬が続出する始末。フルゲートの半分にも満たない8頭立てとなったが、もはや敵などない。不良馬場を2着に5馬身の差をつけて圧勝した。
そして迎えた皐月賞。「能力はシンボリルドルフ(1984年の三冠馬)に勝るとも劣らない」。高評価を得たアグネスタキオンは、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に推された。しかし、ここでもまったく期待を裏切らない。楽勝で三冠レースの第1関門を突破した。これで4戦全勝。続く日本ダービーの勝利は決まったようなものだった。
ところが、皐月賞から2週間経って左前脚に屈腱炎を発症。日本ダービーを断念するどころか、競走生命までも絶たれてしまうことになる。わずか4戦、デビューから半年も経たないうちに、早くもターフを去ることになった。無事なら三冠馬も夢ではなかったろう。能力が高すぎたゆえの悲劇であった。
しかし後年、その光速のレジェンドは種牡馬となって、血の第2幕を全開させることになる。優秀な産駒を続々と送り出し、日本リーディングサイヤーにまでのぼり詰めたのだ。そして今も、その血は脈々と息づいている。(吉沢譲治)
◆レース詳細
2001年04月15日
第61回 皐月賞(GI) 中山/芝右2000m/天候:晴/芝:良
1着 アグネスタキオン 牡3 57 河内洋 2:00.3
2着 ダンツフレーム 牡3 57 藤田伸二 1.1/2
3着 ジャングルポケット 牡3 57 角田晃一 1/2
◆競走馬のプロフィール
アグネスタキオン(牡3)
父:サンデーサイレンス
母:アグネスフローラ
騎 手:河内 洋
調教師:長浜 博之(栗東)
馬 主:渡辺 孝男氏
生産牧場:社台ファーム
パズルダービーリリース!
●
パズルダービー9月28日リリース! 爽快!競馬パズルゲーム「パズルダービー」を9月28日(土)にリリースいたしました!
「パズルダービー」はマッチ3形式(同じ色を3つ揃えるブロック消し)のパズルと競馬が融合し、伝説の名馬のシナリオに挑戦する競馬パズルゲームです。レースでは、ディープインパクトやオルフェーヴルなど名馬のシナリオを完全再現。競馬ファンなら感動再び、競馬を知らない方はパズルを楽しみながら、競馬の魅力を知っていただけます。
登場する名馬は700頭以上。また、週末に開催される中央競馬とのリアル連動イベントや各種キャンペーンも満載です。この機会に是非お楽しみください!