●アスキーコード(牡 美浦・和田正道 父ネオユニヴァース、母シークレットコード)
母シークレットコードは新馬戦を勝った直後に挑んだ阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で2着と健闘した活躍馬。初子のマトリックスコード(父ハーツクライ)は新馬戦を勝ったあと、2戦目の500万下でも2着と健闘し非凡な素質を見せている。本馬は2番子。ネオユニヴァース産駒全体の連対率は16%だが、母方にMr.ProspectorとDanzigを併せ持つパターンに限ると連対率は27%に跳ね上がる。本馬の母の父Fusaichi Pegasusは現役時代にケンタッキーダービー(米G1)を勝った名馬で、「Mr.Prospector×Danzig」という組み合わせなのでニックスに当てはまる。本馬はHalo 3×5というクロスを持っており、これもスピードを強調する働きがあるため父の配合パターンとして成功している。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
●ザナイトビフォー(牝 栗東・坪憲章 父クロフネ、母グレートハーベスト)
弥生賞(GII)8着、昇竜S(OP)3着などの成績があるマイネルクロップの全妹。「クロフネ×サンデーサイレンス+Mr.Prospector+La Troienne血脈」という血統構成は、フサイチリシャール(05年朝日杯フューチュリティSなど重賞3勝)やブラボーデイジー(10年エンプレス杯-JpnII、09年福島記念-GIII)を出して成功している。全兄はまだ3歳で、芝・ダート双方でいずれは重賞戦線に顔を出すのではないかと思われる。こちらは牝馬に出たので芝向きの素軽いタイプだろう。マイル前後に適性を見せるはず。
●チリペッパー(牝 美浦・池上昌弘 父マンハッタンカフェ、母チリースタート)
母チリースタートはラムタラ(95年英ダービー-G1、95年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS-英G1、95年凱旋門賞-仏G1)の4分の3妹。本馬は父がマンハッタンカフェなので、「マンハッタンカフェ×ラムタラ」のヒルノダムール(11年天皇賞・春-GI、11年大阪杯-GII)とよく似た配合構成となっている。母チリースタートが抱えるCaerleonとBlushing Groomはいずれも父マンハッタンカフェとニックスの関係にある。前者とマンハッタンカフェの組み合わせから誕生した馬にはジョーカプチーノ、レッドディザイア、ガルボ、テイエムオーロラが、後者とマンハッタンカフェの組み合わせから誕生した馬にはヒルノダムール、メイショウクオリア、ベストメンバー、サンディエゴシチー、メイショウレガーロ、ココナッツパンチ、オリエンタルロック、ヤマニンウイスカーなどが出ている。スケールの大きな芝中距離配合だ。
●ホワイトミーティア(牝 美浦・萩原清 父ゼンノロブロイ、母ガヴィオラ)
母ガヴィオラは、ガーデンシティブリーダーズカップH(米G1・芝9f)など5つの芝重賞を制した活躍馬。Wildwook≒River Guide 3×3という4分の3同血クロスを持っている。あるいはRide the Trails≒Lady Ann's Key 2×2という見方もできる。いずれにしても母が濃厚な血統的凝縮を持つのは事実で、そうした特殊な配合が繁殖牝馬としてアドバンテージになるケースは珍しくないので楽しみが大きい。4分の3兄コメットシーカー(父ディープインパクト)は新馬戦を勝ったあと毎日杯(GIII)で5着となった。本馬の父はゼンノロブロイ。母の父Cozzeneは気性的に難しい面はあるものの、ヨーロッパ的な切れ味を表現するタイプなので、父との配合がハマれば大物を出しても不思議はない。Plucky Roman≒Lester's Pride 5×5もおもしろい。芝1600〜2000mに向いたタイプだろう。
●ロードヴォルケーノ(牡 栗東・笹田和秀 父キングカメハメハ、母ジャズキャット)
「キングカメハメハ×Storm Cat」なのでスプリントチャンピオンのロードカナロアと同じ。父キングカメハメハは「Northern Dancer+Secretariat」の構成を持つ血と相性がよく、前出のロードカナロアのほか、ローズキングダム、ベルシャザール、エオリアンハープ、ビンテージチャートなどがこの例に当てはまる。Storm Catは2代父がNorthern Dancer、母の父がSecretariatという組み合わせなので、「Northern Dancer+Secretariat」の典型的な1頭だ。本馬の母は本邦輸入種牡馬タバスコキャットの全妹にあたり、2代母の父はGraustarkの系統。ロードカナロアの2代母の父はGraustarkの全弟His Majestyの系統なので両馬の構成はよく似ている。半兄ロードマジェスティ(父ブライアンズタイム)は共同通信杯とアーリントンCで5着。本馬もマイルあたりまではこなせるだろう。