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神戸新聞杯を考える

  • 2013年09月20日(金) 18時00分
 阪神競馬場の改装時に誕生したのが芝・2400mの外回りコース。
 神戸新聞杯が当コースで争われるようになり今年で7回めを迎える。

 過去6年を振り返ってみるとダービー以来となる馬が6戦5勝、2着1回。際立った成績だ。
 ダービー以来同士でワンツーを決めた年が3回を数え、春に王道を歩んできた面々の牙城は崩れていない。

 セントライト記念は関東馬が中心で荒れる要素があるのだが、この神戸新聞杯は強い関西馬が占める。

 厩舎と栗東トレーニングセンター近郊の牧場との連携は年々強まり、いわゆるひと叩きといった色合いも薄くなっている。
 夏場を順調に過ごす有力馬が増えたことで春の実績馬は久々でもほぼ態勢が整っているのではないだろうか。

 まして当コースはバックもホームも直線が長い外回りコースだ。スピードの持続力と持久力が求められることで伏兵が台頭する余地が少ないのかもしれない。

 あとは世代のレベルがどうなのか。
 今年の3歳世代はダート路線に質の高いメンバーがそろったと個人的には感じている。

 クラシックを含めた芝路線は現4歳世代よりは落ちるように思う。
 4歳世代が強過ぎると言い変えてもいい。

 同世代同士の当レースなら他世代についてあまり神経質になる必要はないだろう。
 ただ、伏兵を狙う場合。今年でいえば条件戦であっても年長馬、とりわけ4歳勢にもまれた馬には注目してみたい。

 エピファネイアを推す。
 完成度の高さで好勝負を重ねてきたように映っていたが潜在能力の高さで補っていたのだろう。
 春より細身に見せながら筋肉がバランスよくついている。身体の線がくっきりしているのだ。
 思えばダービー当週の追い切りはソエの影響で平地コースから坂路に変更された。
 折り合い面を含めて心身の成長を伝えてくる現状だからこそ、ボディラインにメリハリがついていることにも納得がいく。
 スピードとスタミナ、双方に秀でている。状態面とポテンシャルの高さを考慮すれば信頼する手だろう。

 トーセンハルカゼの前走は発馬で半馬身ほど後手を踏み道中は馬群で我慢。
 直線も窮屈なところへ押し込められて仕掛けが後れながらしぶとく差を詰めた。
 1000万特別の3着とはいえ上位2頭の4歳勢の実力を考慮すれば好勝負可能だろう。
 まして当コースに強いキングカメハメハ産駒である。

 マジェスティハーツは口向きの悪さが解消されてここ2戦が着差以上に強い内容だった。
 夏場の充電でたくましさを増した感があり楽しみな素材だ。

 テイエムイナズマは粗削りな面が一戦ごとに消え優等生になっている。
 それでも小さくまとまっているわけではない。無駄肉が取れて中長距離で十分に対応が利く雰囲気を持つ。

 タマモベストプレイからは常にそのときの力をフルに発揮している印象を受ける。素直なのだろう。
 脚質を含めて前哨戦でより味が出るタイプだ。

 アクションスターにとっての追い風は当日輸送で行われる舞台という点ではないか。
 アグネスタキオンの産駒としては珍しく切れ味よりはスピードの持続力で勝負するタイプ。当コースは合いそうだ。

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1992年から2010年までスポーツ新聞社で中央競馬を担当。ラジオ関西・競馬ノススメ(毎週土曜16時30分〜17時)にレギュラー出演するなどフリーランスで活動している。

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