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最近の馬場整備手法によって発生するバイアス

  • 2013年10月04日(金) 18時00分
 スプリンターズSは、当コラムで上げたポイントに該当する馬が1-3着を独占。ホームページ「ブラッドバイアス血統馬券プロジェクト」注目馬に上げたマヤノリュウジンが3着。

 当コラムでも書いたように、今秋の中山芝は昨年までと馬場整備の方法を大きく変えていましたが、スプリンターズSは結局、例年の傾向通りに収まりました。(個人的には馬券面での収穫は何もないレースでしたが)

 馬場についての騎手コメントで気になったことがひとつありました。スプリンターズSのレース前レポートで「騎手の話によると、内が傷んでいる状態」とのこと。続いて「だから外が伸びる」とコメントしていたことに衝撃を受けたのです。

 もちろん、現実は全く逆。最終日の中山芝は、総合的には内を通るほうが有利な馬場状態だったですから。

 もっとも、ボクが騎手だったら、本当に有利な馬場のポジションを他人には言いません。だから、わざと「外が伸びる」とレポーターや他の騎手に言った可能性もありますが「内が傷んでいる」というのは見た目の通りですから事実なのでしょう。

 つまり、中山芝は「開催が進んで馬場が傷んだほうが内が伸びる」バイアスが発生したわけです。

「開催が進むほど内を通る馬の走破タイムが上がる(有利になる)」
「開幕した頃の馬場は外差し。馬場が荒れると内伸び」
意図的に芝丈を伸ばし、馬場を柔らかくする整備を施されている、最近の競馬では今後も発生する可能性を十分に注意を払うべきです。

 さて、今週から開幕する東京、京都芝も昨年よりもクッションの効いた馬場を意図的に作っている模様。

 開幕週は「末脚」「上がり持ちタイム」「直線スピードに優れた血統」を重視。もちろん、中山、阪神よりもパフォーマンスを上げるタイプを重点的に狙うことは、馬場云々は問わない基本事項です。

 デイリー杯2歳Sも、柔らかい馬場を作るのであれば、ヨハネスブルグ産駒よりもサンデー系の上位種牡馬の産駒が有利でしょう。

PS
凱旋門賞は、内村航平選手の個人総合の鉄棒を見る心境です。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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