今年に入って一気に本格化したトウケイヘイローは、天皇賞秋でも有力の1頭。その父であるゴールドヘイローは大井で活躍した馬で、産駒たちの活躍により、今再び注目が集まっている。ゴールドヘイローの主戦を務めたのは、川田将雅騎手の伯父にあたる、大井の宮浦正行調教師。ハツシバオーやイナリワンの主戦も務めた名手が、当時の想い出を語ってくれた。(取材・文/赤見千尋)
◆脚部不安に悩まされた現役時代 1999年、大井競馬場に一頭の競走馬がやって来た。彼の名はゴールドヘイロー。父サンデーサイレンス、母父シーキングザゴールドで、当時の大井に入厩するには異例の良血馬だった。
「ちょっと緩かったけど、柔らかくてバネがありました。スピードと脚捌がすごく良かったので、一番上のクラスでも十分戦えるなと思いましたね」
イナリワンを育てた名伯楽・福永二三雄調教師が惚れ込んだ一頭。宮浦は厩舎に来た初日から跨り、すぐに能力の高さを感じたという。
「イナリワンは、これで走るのかな? というくらいグラグラで(笑)。トビが大きいし緩いから、大井の角馬場ではよく躓いて、乗ってて怖いくらいでした。でも速いところに行くと、バーンと走りが変わるんです。これは走るなと。ゴールドヘイローも、やっぱり時計を出した時にすごくいい走りでした」
周囲の期待通りに、新馬戦1番人気で勝利。後に重賞6勝と活躍することになるコアレスハンターを楽に突き離す快勝劇だった。しかし、ここからゴールドヘイローは