昨年の年度代表馬・ジェンティルドンナ。だが今年は2戦してドバイシーマクラシック2着、宝塚記念3着と、彼女らしい結果を残せていない。満を持して得意の府中に戻ってきた天皇賞・秋。はたして“貴婦人”の輝きは戻るのか──三冠牝馬復権の可能性を、管理する石坂正調教師に迫った。

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◆ドバイの敗因は初めてのナイター競馬
　まったく個人的な事情だが、5年ほど前、ヴァーミリアンの2度目のドバイ参戦を前に、石坂厩舎を訪れたことがある。一応自己紹介して席につくと、いきなり「キミは競馬詳しいのか？」と聞かれた。圧倒的先制パンチだった。

　こういう（個人的な）経緯があるなか再訪した石坂厩舎だったが、今回も指揮官には強烈なパンチを食らった。

「宝塚記念のことは、聞かないでほしい」

　面食らった。実は、そこから切り込もうと思っていたのだ。またもや先制パンチにノックアウト寸前だったが、なんとか踏みとどまり、話題を変えて年内初戦となったドバイシーマクラシックについて聞いてみる。弱々しくも、ジャブを繰り出したつもりだ。

「あの時は、いい調整ができたんだけれど