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「道悪の秋天」と聞いて真っ先に思い出される91年の大騒動/トレセン発秘話

  • 2013年10月24日(木) 18時00分
 先週水曜は10年に一度という超大型の台風が上陸。調教開始が午前10時に延期されるなど、美浦トレセンも対策には大わらわだった。変則開催の全休明けでもあり、大半の厩舎は軽め調整に終始したが…。悪条件下にあって果敢に追い切りを行ったのが、実は日曜京都の2歳500万下・かえで賞(芝内1200メートル)で6番人気ながら2着したファソンだった。

 精力的な動きを目撃した宴会野郎に対して「馬場を気にするタイプではないし、輸送を挟むことを考慮すればレースからなるべく間隔を空けて追っておくのが無難でしょう」と高木調教師は淡々と説明。これに続く「本質はダート向き。芝はスピード的につらいんだよなぁ」の言葉にマークを甘くしたのが運の尽き。10年に一度?の馬券(3連単18万円超)を取り逃し、旨い酒と無縁の週末を過ごすハメとなった。

 もっともこのファソン、先週と同じく重馬場のすずらん賞(函館)も5番人気で2着と高配当を提供している。つくづく雨に愛される馬だと感じとった次第だ。

 さて、いまさら1週前の話を蒸し返したのも、今週末も自然の猛威を避けられぬ状況にあるから。予報によれば台風27号は土曜夜に東京に最接近。最悪の場合は開催中止まであるか。いずれにせよ天皇賞・秋も、良馬場は望めそうもない。

 道悪の秋天。真っ先に思い出すのは大騒動を巻き起こした91年。プレクラスニーが優勝した年と言うより、断然人気メジロマックイーンが降着した年と言った方がピンとくる。焦点となったのは鞍上・武豊によるスタート直後の斜行。今の降着制度ならおそらく審議ランプさえつくまい。だが、まだ若き天才は重い馬場を意識し過ぎてポジショニングをはやった。その焦燥が6馬身差の圧勝から一転、シンガリ18着の悪夢(JRA史上初のG?1位入線馬降着)を呼び起こした。逆から見れば、2位入線プレクラスニーに勝利の女神がほほ笑んだとも言えるのだ。

 果たして今年“雨に愛される馬”は出現するのか。天気予報とニラメッコしつつ、今週末までにじっくりとその答えを導き出してみたい。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)

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