台風27号の進路とスピードが悩ましい。ただ、天皇賞・秋が中止になることはなさそうだ。当初の予想よりも南にそれ、日曜日には関東を過ぎ去る予報が出ている。
だが、土曜日は微妙。行われたとしても大量の雨が予想される。これで馬場がどれだけ荒れるのか。雨がいつまで続くのか。日曜日は晴れの予報だが、馬場状態がこれまた悩ましい。
今年の天皇賞・秋は牡馬の一線級が不在である。凱旋門賞に挑戦したオルフェーヴルは、有馬記念を使って引退を表明。ゴールドシップは狙いをジャパンCに定めた。昨年の2着馬で、今春の天皇賞を勝ったフェノーメノは年内休養が決まっている。
道悪の巧いステイゴールド産駒には、願ってもない雨なのにもったいない話だ。今年のメンバーなら、牝馬のジェンティルドンナの力が抜けている。父のディープインパクトも母系も、3歳がピークの血統ではない。ただ、馬場の悪化はマイナス。持ち味の瞬発力がそがれ、宝塚記念のような負け方をする心配がある。
逆に馬場の悪化で喜ぶのはトウケイヘイローだろう。父のゴールドヘイローはマイナー種牡馬で、母系も地味。母系のベースそのものは社台ファームゆかりの名牝系だが、本流ではなく傍流に位置する。
しかし、今夏の充実ぶりはめざましい。父系祖父のサンデーサイレンスと母の父ミルジョージの良さを、隔世遺伝でうまく受け継いだ印象がある。パワータイプの血統構成をしており、荒れて時計のかかる馬場、雨で渋った馬場は大歓迎だ。
コディーノは父キングカメハメハ×母の父サンデーサイレンスで、母系も日本を代表する名牝系。春のクラシックは期待を裏切り、前走の毎日王冠も7着だが、キングカメハメハ産駒は道悪が巧い。人気を落とすようなら穴に面白い。
ダノンバラードはディープインパクト産駒だが、パワータイプの母系の血が強く出たようで、決め手に乏しい。反面、宝塚記念のような荒れて力のいる馬場は合う。台風の影響が残ったときは注意したい。