天皇賞・秋の舞台である東京の芝・2000mコースの特徴にまず目を向けてみたい。
スピードと瞬発力そして持久力。
競走馬が速く走るために重要とされるこの3つを総合的に高いレベルで保持していること。
当コースにおいてとりわけ大切な要素だと個人的に考えている。
ただ同じ配分でこの3つを使う状況は少ないだろう。
レースの展開や流れに応じてそれは変わってくる。
個々の能力、資質を問う意味において3つを兼備していることが必要なのではないかと思うのだ。
近年はGIでも上がり勝負が増えている。
前半のラップが速いケースはあるが1頭が引き離して逃げているという場面を度々目にする。
馬群、つまり有力馬が位置している場所は実は緩やかに流れていることも多々ある。
レースの上がりを要していても飛ばして逃げた馬がつくったものによる影響が大きいことも頭に入れておかねばならないだろう。
強力な力を持つ逃げ・先行型より差し馬が中心格となっている。それがいまのGIではないだろうか。
当コースで必要だと思われる要素とGIの特性。
それらをかみ砕いて考えてみた。
トウケイヘイローを推す。
東京の芝・2000mを走るのは初めてである。
そこで2000mの重賞を3連勝しているここ3戦に目を向けてみる。
すべて競馬場が違う。負担重量が異なり別定戦もハンデ戦もある。ペースの違いに加えて馬場状態の差も大きい。
それでも緩急をつけて巧みなコーナーリングで勝利を重ねている。
久しく不在だった奥行のある逃走型ではないだろうか。
短い直線とはいえここ3戦でゴール板までスピードは陰りを見せていない。
力感あふれる走法にもかかわらず繋が長い。晴雨兼用の新星候補といっていいだろう。
ジェンティルドンナにとって直線の長い東京競馬場は願ってもない舞台。
前々で戦えるようになっていることで以前ほどの爆発力は感じないがタフな心身は際立つ。馬場状態が極端に悪化しないかぎり崩れる場面は考えにくい。
東京競馬場に変わることでヴェルデグリーンの末脚に注目したい。大外枠であり道中をいかにロスなく進むことができるか。その点がカギを握りそうだ。
ナカヤマナイトは仕上がりがよく成長を伝えてくる外観が頼もしい。枠順、予測される馬場状態もプラスに働きそうで粘り腰に期待したい。
ジャスタウェイはコーナーがふたつのコース、とくに左回りで直線の長いコースでは安定度が高い。
若干、2000mは長いように感じられる。総体的なメンバー構成を考慮してみて昨年の6着以上に頑張れるのではないか。
気温が下がるとともにオーシャンブルーは体調を上げてくる。体重が戻りそうな今回は直線の伸び脚も迫力が増すだろう。