長丁場のハンデ戦。GI戦線の谷間という印象が濃いレースだったが近年は様相が異なっている。
07年の勝ち馬アドマイヤジュピタは1000万下特別を勝った直後で2階級下からの挑戦。
重賞初チャレンジにもかかわらず完勝した。翌年の天皇賞・春を制覇したのは周知のとおりだ。
08年にワンツーを決めたスクリーンヒーローとジャガーメイルはいずれも前走が1600万下特別で同レース。
その前走でも1、2着に入った両雄の当レースでの着順は逆。ハンデ差が実に3キロ。前者が53キロで後者が56キロだった。
同タイムで決着した前走を考慮すればジャガーには厳しい状況だったのだろう。
事実、スクリーンヒーローは次走のジャパンCで豪華メンバーを相手に優勝している。
のちのGI馬を含めてここ数年は活気のある面々が上位をにぎわせている点は見逃せない。
“先物買い”とハンデをうまく溶け合わせて考えるのがいいかもしれない。
東京の芝・2500mコースの発馬地点は直線の坂の手前である。
つまり坂を上がって1角に入る。そして4角から最後の直線で再び坂を迎えるのだ。
スタミナ色の濃い設定になっていることで持久力が要求される。
加えて現状の力と実際に課せられたハンデの微妙な差が結末に影響を与えるのではないかと個人的に考えている。
ホッコーブレーヴを推す。
ここ6年で1勝、2着2回、3着1回のオクトーバーSを使われての参戦組。
昨年の2着馬ムスカテールと同じだ。
同馬がその前走で走破した東京の芝・2400mの勝ちタイムが2分26秒9。そしてアルゼンチン共和国杯でのハンデは55キロだった。
ホッコーの勝ちタイムは2分26秒3。それも4カ月半ぶりで緩やかな流れに逆らい大外一気を決めている。
今回のハンデは54キロである。
休み明け2走目の上積み。見込める流れを考慮すれば鮮烈な末脚が映える可能性は高い。
ムスカテールは前走、直線で内にもたれる癖を見せていた。
左回りでは行きっぷりがいいうえ最後まで勢いが続く。今回の条件で見直してみたい。
ルルーシュはデビュー戦から11戦まで勝利と敗北をきれいに1回ごとに繰り返している。
続けて好走するタイプではないのかもしれない。大敗のあとで迎える昨年のVコース。警戒が必要だろう。
ニューダイナスティは好位で我慢が利くようになっている。内枠もプラスだ。
メイショウナルトは自在性があり騙馬特有の上昇気流に乗っている。
アドマイヤラクティは勝負どころでもたつくがそこで脚を使うと末が鈍る。難しいタイプだがいい意味でワンペースの走りができれば怖い存在だ。
マイネルマークは切れ味勝負では分が悪い半面、早めに動けば粘り強い。