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「強い新潟2歳S組」に注目!(辻三蔵)

  • 2013年11月05日(火) 18時00分
 11月2日に行われたアルテミスS(2歳牝馬限定重賞、東京芝1600m)は2番人気のマーブルカテドラルが快勝した。マーブルカテドラルは前走の芙蓉S(オープン、中山芝1600m)に続く連勝となり、阪神ジュベナイルフィリーズでは関東の大将格として注目を集めることになった。

 それにしても今年は新潟2歳S組の大躍進が目を惹く。前述のマーブルカテドラル(新潟2歳S5着)を筆頭に、2着のイスラボニータがいちょうSを勝ち、10着のアポロスターズ(京王杯2歳S出走予定)がカンナS(オープン、中山芝1200m)を制している。3着のピークトラムは続くデイリー杯2歳Sで3着、4着のウインフェニックスはいちょうS、百日草特別で2連続2着と安定した成績を収めている。

 更に上には新潟2歳Sで3馬身差の圧勝劇を演じたハープスター(10月24日、栗東トレセンに帰厩)がいる。マーブルカテドラルがアルテミスSで札幌2歳S2着のマイネグレヴィル、函館2歳S1着のクリスマスに完勝したように、今年の2歳重賞路線は新潟2歳S組を軸にして考えていいだろう。となると、今後は「強い新潟2歳S組」を破った馬にも注目しないといけない。

 11月3日の百日草特別(500万、東京芝1800m)ではクラシック候補の実力を見極める上で「モノサシ馬」としての地位を高めているウインフェニックスが出走。1番人気に推されたウインフェニックスを退けて、好位追走から抜け出す横綱相撲で完勝したのがピオネロだった。勝ち時計の1分47秒5は10月19日のいちょうS(オープン、東京芝1800m)を2秒1上回る好タイム。過去10年の百日草特別で1分47秒台で勝った馬は4頭いるが、その内、03年のコスモバルク、06年のアサクサキングスがのちにGIを制している。前走の札幌2歳S(4着)は不良馬場に脚を取られて持ち味の瞬発力を発揮できなかったが、良馬場の東京で潜在能力の高さを示した。

 レース後、松永幹調教師は「先週の追い切りで乗ったときの感触が良かったので期待してレースに臨みました。向正面でダウトレスが外から上がってきたときに一瞬頭を上げる素振りを見せましたが、蛯名騎手が上手く抑えてくれましたね。強い内容で勝ってくれましたし、勝ち時計も速かったのでこれからが楽しみですね」と笑顔で話していた。今後は馬の状態を見てローテーションを決めるとのことだが、牡馬クラシック候補として一躍名乗りを挙げた。

大物感で言えば、4着のリターンラルクも負けてはいない。新馬戦同様、最後方から腹を括っての直線勝負。当該週の東京芝コースは真ん中から内目の馬場が伸びていたが、唯一頭、大外からメンバー中最速の上がり3F33秒9の末脚で追い込んできた。坂を登ってからの伸び脚には父ディープインパクトを彷彿させる迫力があった。時期はまだ早いが、来年の日本ダービーの秘密兵器として推奨したい。

▼筆者:辻三蔵
 レーシングライター。元ホースニュース馬」美浦所属トラックマン。

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