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エリザベス女王杯、武蔵野S、京王杯2歳S、ファンタジーSなど追い切り診断

  • 2013年11月07日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・エリザベス女王杯(GI)
・メイショウマンボ
 休み明けで急仕上げだったローズSが4着。そこから順当に良化した秋華賞は本来の力を存分に発揮して優勝。1週前にCWで速い時計を出し、最終追い切りは坂路というのが、好走パターンの追い切りということで間違いない。今回もそのパターンはしっかりと継続。1週前はCW、最終追い切りは坂路で、ともに併せ馬だったが、軽快な動きで先着。ただ、最終追い切りはラスト1Fの伸びは前走時の方が良かった印象。前走と同じ中3週だが、中間の追い切り本数は1本少なくなっている。秋3戦目ということを考えれば、当然の調整だと思うが、調教過程から上積みというのはないかも知れない。

・デニムアンドルビー
 最終追い切りの内容が物足りないと感じたローズSは、自慢の末脚を発揮して1着。そして前走は内回りということもあって、自分のスタイルで競馬できなかったことが敗因だろう。ただ、中間の追い切りがすべて馬なりだったというのも、調教からの敗因と考えたい。そういった意味では、今回は最終追い切りでしっかり追われているので、調教の強さに関しては問題ない。追い切り本数も多く、その点も気になるところはない。ただ、オールザットジャズと併せて、あっさりと追い抜かれたあたり、やはり反応の鈍さがあるという感じ。外回りに舞台が替わるので、ズブいくらいがちょうどいいかも知れないが、追い切りだけの判断では、高い評価はできないだろう。

・アロマティコ
 前走は32.4秒という上がりを使っても届かない、超スローペースのレース。内枠から位置取りを下げるレースになり、その時点で勝負は決していた。東京競馬場では、強烈な末脚を使えるものの、着順が悪くなるのは、レースペースが関係しているのだろう。今回は京都芝外回り。また超スローになれば、差し届かない可能性もあるが、自分で動けば話は別。ジョッキーが替わることで、新味が出そうだし、現状で調子落ちはない。むしろ、今週の追い切りでも引っ掛かるところなく、しっかりと最後まで走れていたので、悪くないだろう。ただ、正直、昨秋の勢いがあった頃に比べると、やや物足りない印象も拭えない。

◆日曜東京11R・武蔵野S(GIII)
・ゴールスキー
 ダートへ路線変更するとともに、中間の追い切りを坂路で行うようになっているが、そのスタイルが確立されてきた感じ。前走はレース間隔が空いて、追い切り本数はさほど多くなかったが、きっちりと勝ち切っている。その要因は、終い重点の追い切りラップ。全体の時計は遅くても、ラスト1Fが最も速くなるラップを踏めたことが好走に繋がったと考えたい。今回もその点はクリアできており、中間の追い切り本数はしっかりと増えている。重賞でも力を発揮できるだけの仕上がりにあることは間違いない。

◆土曜京都11R・ファンタジーS(GIII)
・エルノルテ
 前走は内回りという舞台設定に差し遅れたレース。実力を発揮できなかったことは間違いないが、新馬戦から3か月ぶりのレースだったという経験値のなさも響いたように思える。今回はレースを使った上積みが期待できる中3週。中間の追い切り本数が増えているが、坂路での15-15が多く、気持ちが前向きになって、坂路で時計になっているケースが多い。今回の最終追い切りも行く気満点。それをなだめながら、ラスト1Fだけ仕掛ける形で、一応、自己ベストを0.1秒更新する時計。やれば、もっと速い時計も出るだろうが、それをやってしまうと、テンションが上がりすぎると思われるので、現状ではこれがベスト。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜東京11R 京王杯2歳S(GII)
・ルミニズム
 前走のデビュー戦は、調教量こそ十分だったが、ビシッと追ったことがなく、余裕を残しての仕上げ。さらにテンションも高めだった道中スムーズに折り合って直線追い出すと瞬時に反応し突き抜けた。1頭だけ格の違った内容で完勝。中間も坂路、ウッドで順調に乗られ直前の追い切りは古馬を5Fから1秒ほど追走。それでも5F67秒0〜上がり37秒7の好時計を抜群の手ごたえで計示。集中力の凄さはとても2歳馬とは思えない走り。いきなりの重賞でも好レース必至。

◆日曜東京9R ノベンバーS(1600万下)
・クイーンオリーブ
 5月以来の競馬になるが、先週までに4本の時計をマーク。今週はウッドチップで69秒7-40秒3、1秒先行させた2歳馬を直線で捕まえると、後は手綱を抑えてゴールイン。闘志むき出しの走りで気合満点、脚さばきは鋭く、久々をどこからも感じられない内容だった。今回と同条件になる前走は、千通過58秒9から1分45秒6でフィニッシュ。前走は3着止まりだったが、馬場の良い今の東京コースでは、早めの逃げが1番捕まえづらい。久々でも態勢万全、展開と馬場を味方にあれよあれよの逃走劇を披露する。

◆土曜東京9R 南武特別(1000万下)
・ゴールドメイン
 6日の最終追い切りは、併せた相手が2歳馬2頭。5F66秒8-3F38秒7-1F12秒7と目立つものではなかったが、ゴール寸前で軽く仕掛けると、素早い反応でその2頭を突き放す内容。今までは坂路調教を主体にして競馬を使っていたが、今回南Dコース(ダート)でシッカリ追い切れており、その充実ぶりはデビュー以来最高のデキと言えるもの。前走初めて挑んだ芝のレースながら、一瞬の決め手を生かして快勝。流れに乗った戦いぶりに進歩が見られ、3歳馬の勢いも含めさらなる前進は可能。再度の2400m戦、スンナリとした展開を考えると連勝の可能性は十分にある。

・ピュアソルジャー
 相手が格下のミヤビアンバーだったとはいえ、問題にしない動きで1馬身ほど先着。素軽さ満点で気合のりも良好。休み明けを2度叩いて、本来のデキを取り戻している。前走はスローの前残りで、殿りからの競馬。0.4秒差まで詰め寄ったのが能力の証明といえる。展開に左右される点がネックで出世がおくれたが、決め手はオープン級のもの。今回の相手関係なら差し切れる。

◆土曜東京12R 3歳上1000万下
・ファーマジェンヌ
 出負けしたうえに、一気に脚を使ってポジションを上げ、直線で失速した前走の東京戦(ダート1400m)。引き上げてきた田中勝騎手が開口一番、「すいません、下手に乗ってしまいました。今度はちゃんとした競馬しますから、もう一度チャンスを与えてください」と調教師に直訴。ここが「クビ」を賭けた一戦となる。中山ならまくる手もあるが、直線の長い東京コースを考えると、タメにタメて直線で爆発力を生かす乗り方がベスト。スタートを決めて、前に他馬を置きながら折り合える競馬ができればも、もちろん大きく変わる要素はある。距離の1ハロン延長もプラス材料。ここはジョッキーの意欲(手腕)に投資したい。

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