宮徹調教師/マイルCS Part2『2着に負けた2戦目で“重賞を勝てる”と確信』
◆追い切りで見せた“走る馬”の片鱗
スワンSを振り返るなかで、「最初から重賞を獲れる馬だと思っていた」と語った宮。今年2月のアーリントンCで、早々にその思いは成就したわけだが、はたして重賞級の能力の持ち主であることを、どの段階で見抜いていたのだろうか。
「牧場で最初に見たときは、いい馬やな、とは思ったけど、抜けている雰囲気ではなかったね。それが、育成段階に入ってから変わってきて、育成場のスタッフも言うてたけど、これはちょっと走るかもしれないと。最近は、育成段階で13(1ハロンの時計)くらいまでやってくるから、昔と違って“走る、走らない”がその時点である程度わかるからね。もちろん、全部が全部当たるわけではないけど、昔に比べれば、当たる可能性が高いねん。だからリチャードも期待通りやったということやね」
入厩して速いところをやり出してから、改めてリチャードに可能性を感じたという宮。若馬の可能性について語るとき、ジョッキーは背中の感触やバネを挙げることが多いが、はたして調教師の着眼点とは、どういったところなのだろうか。ここで少々、走る馬を見抜く“調教師の眼”に注目してみたい。
「1ハロン、2ハロンをビュッと走るくらいでは、ホンマのことを言ったら、あんまりわからへん。大事なのは、それを持続できるかどうか。スピードを持続できてなお、上がってきたときに息が乱れていない馬は走ると思う。息遣いや息の入り、つまり心肺機能やね。この仔の場合は