近代競馬発祥の地・英国には「セントサイモンの悲劇」という言葉がある。
19世紀末に活躍したセントサイモンという馬が種牡馬入りした後、その産駒、後継種牡馬の産駒が爆発的に増え、あらゆる馬にこの血が入ったことで交配がしづらくなり、結果あっという間にセントサイモン系種牡馬が衰退したというもの。
同様に現代日本においてはサンデーサイレンスの血が氾濫し過ぎという声がある。このままサンデー系ばかりが増えていったら、飽和状態になって優良な繁殖牝馬につける種牡馬がいなくなる、という警鐘だ。今週のマイルCSもサンデー全盛期を象徴するようにその血が入った馬がほとんど。そんな中「出走馬の中でこの馬だけサンデーの血が入ってないんですよ。先週はスズカマンボの子がGI(エリザベス女王杯=メイショウマンボ)を勝ったし、今度はラスカルスズカ産駒が頑張ってくれないかと思っているんです」と矢野助手が胸を張るのがサンレイレーザー。たった1頭の非SSの奮闘…そういう視点で見ると、応援したくなってくる。
「正直、前走の富士S(14着)は硬さもあったし、毛ヅヤも冴えなくてイマイチのデキ。むしろ勝ち馬から0秒7差なら走ったほうです」。春のマイラーズCではダノンシャークに先着し、エプソムCではクラレントから0秒1差…過去の実績を考えれば決して見劣ることはない。現状「まだ良くなっている途上」(矢野助手)で、鞍上・藤岡康の感触ももうひとつだったようだが「逆にいえばここからデキが下がることはないし、あとは上がる一方。昨日(13日)のひと追いでまた状態はよくなるはず」なら…人気薄必至のこの非SSの意地の一発を期待して、印を入れてみるのも面白いかも、と思っている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
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