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『2013新潟2歳S至上主義』を高らかに宣言(村本浩平)

  • 2013年11月19日(火) 18時00分


◆出世レースならぬ「出世重賞」

 ここに「2013新潟2歳S至上主義」を、高らかに宣言したいと思います!

 いきなりお前は何を言い出しているんだ! と思われた方も多いのでしょうが、それは今年の新潟2歳Sが、出世レースならぬ「出世重賞」となっているからです。

 勝ち馬となったハープスターだけでなく、5着のマーブルカテドラルはアルテミスSを、そして2着のイスラボニータは東京スポーツ杯2歳Sを優勝と、掲示板に乗った5頭のうち、なんと3頭が重賞を制覇(ハープスターは勿論ですが)。

 3着のピークトラムもデイリー杯2歳Sでは3着に入着し、4着のウインフェニックスもいちょうSで2着と、今後のオープン入りは勿論のこと、重賞制覇も射程圏に入っていると言えそうです。こう考えると最後方からレースを進めながら、イスラボニータに3馬身差を付けたハープスターが、どれだけ強いのかということにもなってきます。

 次走は阪神JFを予定しているハープスターですが、ちなみに生産牧場のノーザンファームはこのレースをなんと6年連続で優勝。しかもハープスターの育成先の厩舎は、ブエナビスタ、レーヴディソール、ジョワドヴィーヴルが勝利、レーヴダムールが2着と、まさにハープスターが阪神JFを勝利するために育成されたような厩舎なのです。

 新潟2歳Sから間隔こそ空きましたが、ディープインパクト産駒はピンポイントのレースを狙った際にも力を発揮できる傾向にありますし、そこに祖母ベガの成長力も加わってくるとなれば、阪神JFではむしろどれだけ強くなっているのか? ということに興味が行くところです。

 イスラボニータが勝利した東京スポーツ杯2歳Sで惜しい2着となったのが、ホッカイドウ競馬所属のプレイアンドリアルでした。この馬は某GCH(笑)の番組の収録の際、オーナーである岡田繁幸氏からいつも能力を絶賛する言葉を聞かせてもらっておりまして、レースの週にも岡田氏から、

「このレースは来年のクラシックを目指す上では通過点!」

 と太鼓判を押されたものの、何せ2歳馬の取材でも牧場での評価が高かったサトノアラジンや、ラングレーなどのディープインパクト産駒も名を連ねたように、まさに真価を問われるレース。岡田氏の言葉を信じたいという気持ちは強かったですが、ここは応援の意味も込めて、「ガンバレ馬券」を握りしめてレースを見守らせてもらいました。

 地方所属馬の中央緒戦でよく見られる「流れの違い」も感じさせることなく、すっと先団につけたプレイアンドリアルは、最後の直線でも長くいい脚を使ってみせます。最後はイスラボニータの瞬発力に屈した形となりましたが、東京コースの長い直線であの競馬が出来たということは、岡田氏の「来年のクラシックを目指す」という言葉が真実となるのではという期待を持たせてくれました。できれば1着に来てくれたのなら、「ガンバレ馬券」の単勝も当たっていたのですが(笑)。

 プレイアンドリアルはこのレースの後、川崎競馬の河津厩舎に移籍して、次走は朝日杯FSへの出走を目指すことになります。先行できる脚質からしても中山コースを苦にすることは無さそうですし、むしろ勝ち負けまで期待できそうです。東京スポーツ杯2歳Sを振り返ってのお話や、今後のプレイアンドリアル情報に付いては、某GCHの番組(笑)で取り上げていきますのでお楽しみに!

 4着に敗れたラングレー、そして5着に敗れたサトノアラジンですが、メイクデビューで能力の片鱗は見せながらも、現時点における上位入着馬との完成度の違いがあの着順になったのかなという印象を受けました。それでもここから来年のクラシックまでにグンと成長するのがディープインパクト産駒。新潟2歳Sと同様に、この東京スポーツ杯2歳Sも「出世重賞」となるような気がしてきます。

 ところでプレイアンドリアルだけでなく、メイクデビューではレコード勝ちをおさめて、京王杯2歳Sでは1番人気の支持を集めたモーリス。そのモーリスとは同じスクリーンヒーロー産駒で、こちらもメイクデビューでは2着馬に1秒4という大差勝ちを収めたオーシャンヒーローの3頭に共通するのは、全てHBAの主催する「北海道トレーニングセール」の出身馬ということです。

 今年はブリーズアップセール出身のクリスマスも函館2歳Sを優勝と、2歳トレーニングセール組からの活躍馬が目立っており、この勢いは一過性ではない印象もあります。というわけで、来年の2歳馬取材からは「2歳トレーニングセール至上主義!」を唱えていきたいと思います! っておい(笑)。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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