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芝中距離で期待大、Giant's Causeway産駒のサトノアスカ

  • 2013年11月20日(水) 12時00分


アサクサハピネス(牝 美浦・藤沢和雄 父ゴールドアリュール、母エアピース)
 3代母グリーミングスマイルは名種牡馬 Alydarの半妹で、Our Mims(米3歳牝馬チャンピオン)の4分の3同血、という超良血。その良質な影響を受けたためか、このファミリーはコンスタントに活躍馬を出している。母エアピースは関東オークス(G3)2着馬で、繁殖成績も優秀。リバティバランス(父ネオユニヴァース/OP)、サトノプライマシー(父ネオユニヴァース/準OP)、ピースデザイン(父エリシオ/準OP)などを産んでいる。「ゴールドアリュール×ティンバーカントリー」はコパノリッキー(13年兵庫チャンピオンシップ-Jpn2)と同じ組み合わせで、ゴールドアリュール産駒の Nureyev3×3といえばシルクフォーチュン(ダート重賞3勝)が思い浮かぶ。マイル前後のダートがベストで、ピリッとした脚が使えれば大物だろう。

クレスコマグヌス(牡 栗東・石坂正 父ハーツクライ、母ライプオレンジ)
 母ライプオレンジは1勝馬だが、センターライジング(96年サンスポ賞4歳牝馬特別-GII)の全妹で、2代母ダイナオレンジは新潟記念(GIII)の勝ち馬、という良血。本馬の半姉にはキープザフェイス(父エアジハード/準OP)、半兄にはレッドアイ(父タニノギムレット/準OP)がいる。本馬の父はハーツクライ。先日の天皇賞・秋(GI)を勝ったジャスタウェイを筆頭に、ウインバリアシオン、アドマイヤラクティ、ギュスターヴクライ、カポーティスターなど、芝の中長距離で良績を残す産駒が多い。兄弟はダート向きに出ているが、芝でも十分やれるだろう。配合構成も良好なのでおもしろいところがありそうだ。1800〜2500mで最も力を発揮する。

サトノアスカ(牝 美浦・鹿戸雄一 父Giant's Causeway、母ベルアリュール2)
 父Giant's Causewayは現役時代、わずか2か月半の間にG1を5連勝して「鉄の馬」の異名を取った。Storm Catの代表的な後継種牡馬で、09、10、12年と米リーディングサイアーに輝いている。ダートだけでなく芝に対応する能力もあり、ヨーロッパでの実績も華々しい。日本ではエイシンアポロン(11年マイルCS-GI)、スズカコーズウェイ(09年京王杯SC-GII)、エーシンジーライン(12年小倉大賞典-GIII)などが重賞戦線で活躍し、天皇賞・秋(GI)で4着と健闘したアンコイルドが今週のジャパンCに出走する。母ベルアリュール2はヴァントー賞(仏G3)、アセニアS(米G3)の勝ち馬。Jukebox Jury(09年オイロパ賞-独G1など6つの重賞を制した名馬)の半姉にあたる良血だ。母方にMr.ProspectorとRivermanを併せ持ち、ヨーロッパ血脈のサポートもあるGiant's Causeway産駒なので、Shamardal(仏ダービーなどG1を4勝)と配合構成が似ている。芝向きの中距離タイプとして期待十分。

ハートビジュー(牝 栗東・大橋勇樹 父プリサイスエンド、母ジュエリークイーン)
 父プリサイスエンドはエンドスウィープを経てフォーティナイナーにさかのぼる系統で、ダート向きの優れた資質を伝えて種牡馬として成功している。活躍の場は地方競馬が中心だが、中央のダートでもグロリアスノア(10年根岸S-GIII、10年武蔵野S-GIII)が重賞戦線で活躍した。配合的には分かりやすいタイプで、Mr.ProspectorとNijinskyを併せ持つ繁殖牝馬と相性抜群。前出のグロリアスノアを筆頭に、ショウリダバンザイ(浦和桜花賞、ロジータ記念、道営記念)、スプラッシュエンド(OP)、ロラパルーザ(OP)、タケショウカヅチ(準OP)といった同産駒のトップクラスは、ことごとくこのパターンから誕生している。故障により引退してしまったが、昨年夏、函館ダ1000mの2歳未勝利戦を大差レコード勝ちしたタイセイロバリーもこの配合パターンだった。本馬もこのパターンを踏襲している。母の父がフサイチコンコルドなので距離の融通性はあるだろう。ダ1400〜1800mあたりがベスト。

ミッキーナイト(牡 栗東・大久保龍志 父キングカメハメハ、母ルドラ)
 母ルドラはフランスで7戦1勝。Saddex(08年共和国大統領賞-伊G1、07年ラインラントポカル-独G1)の半妹にあたり、Green Desert≒Aviance 2×2というユニークなクロスを持ち、Ahonoora、Irish River、Best in Showといったサポート血脈も優れているので繁殖牝馬として期待できる。父はキングカメハメハ。トライマイベスト≒Aviance 4×3で、2代母Remote Romanceはいかにもキングカメハメハと合いそうな構成なので期待できる。芝・ダート兼用のマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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