【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・ジャパンC(GI)
・ジェンティルドンナ
休み明けとはいえ、早い時期から追い切りを開始し、ほぼ万全の仕上がりでの出走となった前走。負けて強しのレース内容は誰もが認めるところだが、その分、休み明けを叩いた上積みというのはないと考えている。
1週前追い切りはR.ムーア騎手が跨り、非常に良い反応を見せていたが、最終追い切りは単走。前走時と大差なく、最後まで左手前のままで走り抜き、ラスト1F13.0秒。前走時は1F12.5秒でラスト1Fが加速ラップを踏めていたのに対して、今回はそれができなかったのだから、やはり上積みは考えにくい。むしろ、今週の重い馬場に苦労した走りという印象が強く、そのあたりは昨年の最終追い切りとも違う印象がある。
・アドマイヤラクティ
前走は1週前追い切りの内容がやや物足りなく感じられたが、重賞勝ちのある東京競馬場できっちり2着。57.5キロを背負っていただけに、好走と判断したい。
今回は中2週。その分、1週前追い切りは非常に軽い内容となったが、最終追い切りはそれなりに。単走だったが、C.ウィリアムズ騎手が跨って、Cコースでの追い切り。6F85.9秒と全体時計は速くないが、1F11.7秒と、この馬らしい伸びを見せた。ただ、気になったのは、馬場入り時に嫌がる仕草を見せた点。もともと気難しいところのある馬だが、初コンビとなる鞍上が跨っての仕草だけに、あまり歓迎できるものではない。
・デニムアンドルビー
レースの流れに合わせるのではなく、出たなりの位置でレースしたエリザベス女王杯。メンバー最速の推定上がりを使いながらも、5着までが精一杯という競馬はある意味仕方ない結果だろう。
中1週で、東京競馬場まで輸送がある今回だが、追い切り内容は緩められていない。11月15日には坂路で時計を出し、最終追い切りはCコースで併せ馬。併せたザマンダを突き放すことはなかったが、手応えには余裕があり、一杯一杯という感じではなかった。6F86.6秒と全体時計が遅いのは仕方ないが、1F12.5秒は少し遅い。太目だったローズSを完勝した反動が未だに抜けていないという印象がある。
◆土曜京都11R・京阪杯(GIII)
・エピセアローム
高松宮記念後、復帰に時間を要したが、オパールSできっちり結果を出して1着。これで京都芝1200mは2戦2勝、舞台相性の良さも見せる結果となった。
この中間はノーザンFしがらきに放牧へ出されており、10月30日に栗東へ帰厩。それからの追い切り本数は多くはないものの、少なくもなく、この馬としては標準の本数。ただ、気になるのは最終追い切りの動き。併せ馬で遅れたというのは、前走時と変わりないが、レッドクラウディアと追い比べる形になってからの伸びが物足りなかった。時計も1F13.3秒と要しており、今回は休み明け好走の反動が出ているのかも知れない。。
・ラトルスネーク
前走は出遅れた上に、勝負どころで不利。それでいながら、メンバー最速の推定上がり3Fを使っており、これで4走連続して、メンバー最速上がりをマークしていることになる。今回の問題は勝ち鞍のない1200mという点だろう。
この中間は中3週のレース間隔になるが、坂路での追い切り本数は十分。最終追い切りでも、併せたショウナンマハを持ったままの手応えで交わし、併せ馬先着。4F52.5〜1F13.0秒は馬場状態を考慮して、かなり速い部類の数字。馬の状態に関しては、全く問題なく、むしろ好調。あとは、1200mにどれだけ対応できるかといったところ。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京8R・シャングリラ賞(1000万下)
・ツクババンドーオー
叩き2戦目となった前走福島の500万平場。スタートが決まったことが大きかったが、終わってみれば後続に5馬身差をつける圧勝劇。大きく出負けして届かずというレースの連続だったが、五分にゲートさえ出られれば、1000万でも即通用の決めてがある。過去にはその1000万でも2着を記録している素質の持ち主で、後半勝負に持ち込める東京のダート1400メートルもベストに近い条件。相手強化とはいえ、ハンデ戦ということで前走から2キロ減の54キロで出走できるのは何より魅力。まともなら十分に通用する。
・クロムレック
ユニコーンSは連闘で馬体は絞れていたが、府中のマイル戦ではごまかしが利かず終い失速して9着と大敗。折り合面では進境を見せたものの1400がベストを感じさせた。今回は4か月ぶりの実戦になるが、入念に乗り込まれ、直前の追い切りは500万下のアンスポークンを5Fから1秒ほど追走して66秒5−上がり37秒9をゴール前でビシッと追って計示。デビュー以来これだけ速い時計を出したことも、終い追ったことも初めて。夏を越して馬体・精神面共に大きく成長。春とは中身が違う。1000万なら明らかに素質上位。
◆日曜東京9R・アプローズ賞(1000万下)
・フジマサエンペラー
1番人気を裏切った形の前走だが、敗因は道悪。瞬発力が武器のこの馬にとって、マイル戦で勝ち時計が1分39秒台になってしまうような馬場では、全く力が出せなかった。心配なのは反動だが、中一週で調教を再開。1週前はウッドチップでオープン馬のスイートサルサと併せて、81秒0-65秒3。直前は単走で85秒2-69秒2-40秒0、馬場の外々を回ってきたが、最後まで脚どりが乱れることはなく、余力十分に力強い走りを披露してきた。これだけ意欲的な調整をこなせれば、状態面に心配なし。準オープン戦を勝っている実力馬、1000万クラスでは力断然。よほどの道悪競馬でない限り、負けられない一戦になる。
◆土曜東京9R・オキザリス賞(500万下)
・アジアエクスプレス
前走時から、大型にしては仕上がった馬体で、ビッシリ追ってはいないが、格下2頭を追走して、素軽さ満点の動き。好調子をキープしている。まだ気性面に若さが残るせいか、前走は行き脚が今イチだったが、道中ジリジリ追い上げ、直線でアッサリ抜け出すという強いレースぶり。大物感があるし、レース慣れすれば、まだまだ変わってきそうな器。このクラスは突破できそうだ。
◆土曜東京10R・オリエンタル賞(1000万下)
・シャドウパーティー
正月の初咲賞以来で10ヶ月半ぶりの実戦。美浦での乗り込みは10月中旬からで、追い日ごと坂路とウッドを交え計10本の追い切りを消化。特に7日と14日には長めから速いタイムをマークし、それ以降気合い面、息もちがグーンと上向いて9分通りに仕上がってきた。そのため20日の最終追いは4Fから55秒3-3F40秒1-1F13秒1と、押えた内容に終始したが、鞍上のムーアJの手応えは抜群で、G前のフットワークも重心が沈む本来のものだった。これで太め感なく500前後の馬体重でキッチリ仕上がったことは確か。3度の休養があったため4歳馬ながらキャリアは8戦のみで、3勝・2着2回・3着1回・5着1回という実績で、伸びしろは相当奥が深い。適距離2000m、瞬発力比べの展開必至だけに、上がり3F33秒台の決定力で直一気期待。