ディープインパクト産駒はいつ頃のデビューがベスト? (須田鷹雄)
◆予備知識としては知っておいて損のないディープ産駒のデビュー時期
ジャパンカップはジェンティルドンナ、デニムアンドルビーとディープインパクト産駒のワンツーに終わった。
JCは一般的なPOGとは直接関係のないレースだが、それでもディープインパクトという種牡馬の地位を象徴するレース結果である。
さて、この2頭はジェンティルドンナが2歳11月、デニムアンドルビーは3歳2月のデビューで、ともに早いデビューではない。しかもジェンティルドンナは勝ち上がりが2走目、デニムアンドルビーは3走目だ。
POGでは早いデビューが見えている馬ほど人気になるが、一方でディープインパクト産駒はじっくり待って使い出したほうがいいという意見もある。そこで今回は現3歳世代以上のディープインパクト産駒について、デビュー時期別によるPOG期間内成績(3歳6月まで)を整理しておこう。
デビュー 該当頭数 POG期間内勝馬率 同1頭あたり賞金 同1走あたり賞金
2歳06月 08頭 87.5% 1671万円 234万円
07月 19頭 47.4% 1019万円 164万円
08月 27頭 66.7% 1808万円 309万円
09月 23頭 52.2% 1146万円 193万円
10月 51頭 76.5% 3272万円 547万円
11月 63頭 65.1% 1898万円 362万円
12月 40頭 57.5% 1649万円 354万円
3歳01月 33頭 42.4% 506万円 126万円
02月 29頭 44.8% 1156万円 307万円
03月 35頭 34.3% 353万円 124万円
こうしてみると、早い時期のデビューはさほど大ブレイクには繋がっていない。ヴィルシーナが出た8月組も賞金系の指標を引き上げ切れていない。反対に、年明けデビューはデニムアンドルビーのいる2月組でも指標はしれたもの。POG期間内勝馬率は、デビューの遅さがモロに響いてしまっている印象だ。
やはり秋デビューが一番で、9月でもやや早く、10月がスイートスポット、次いで11月、12月となる。このグループは期間内1頭あたり賞金でも夏デビュー組に後れをとっていない、この指標は早いデビュー馬のほうが有利にも関わらず、である。また1走あたり賞金が他の組に比べて高く、遅れたぶんは1走ごとに取り戻していっている様子がわかる。
結論として、やはりディープインパクト産駒は早めに下すより、秋まで待ったほうがいいのだろう。あるいは、「秋まで待とう」と関係者に思わせるようなディープ産駒こそ良いディープ産駒ということだ。ただし、デニムアンドルビーのような年明けデビュー馬は、グループとしてはちょっと遅れすぎということになる。
ドラフト時点ではデビュー時期のサジ加減まで分かるものではないが、以上の内容は、予備知識としては知っておいて損のないものだと思う。