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イイヴィ(牝 栗東・友道康夫 父キングカメハメハ、母アリデッド)
「キングカメハメハ×ダンスインザダーク」はショウリュウムーン(重賞3勝)、ラブリーデイ(京王杯2歳S・2着)と同じ。サンデーサイレンスとNureyevを併せ持つ繁殖牝馬はキングカメハメハとの組み合わせで好成績を残しており、トゥザグローリーとトゥザワールドの兄弟や、先々週の福島2歳S(OP)を勝ったエルカミーノレアル、ビキニブロンド(準OP)などが出ている。父キングカメハメハは「Northern Dancer+Secretariat」の構成を持つ血と相性が良好。その理由はキングカメハメハの母の父ラストタイクーンが「Northern Dancer+Mill Reef」で、両者の血統構成がよく似ているからだと思われる。本馬は2代母スワンプリンセスが「Northern Dancer+Mill Reef」なので、ラストタイクーン≒スワンプリンセス3×2という構成。見どころがある配合だ。芝向きの中距離タイプ。
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テイエムスカイオー(牡 栗東・岩元市三 父ディープスカイ、母テイエムオーシャン)
母テイエムオーシャンは桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)など5つの重賞を制した名牝。初子から3頭連続でテイエムオペラオー、4頭目にファンタスティックライトを交配したものの、芳しい結果は残していない。5頭目はディープスカイ。すなわち本馬。2代目に並んだアグネスタキオンとダンシングブレーヴはニックスで、両者を結びつけるHalo≒Drone 4×4はスピードを補強する。ディープスカイ産駒はやや鈍重なところが見られるので悪くないだろう。このほか、Secretariat≒Riverman≒Secretariat 5×4・5という相似な血のクロスもおもしろい。芝向きの中距離タイプ。
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ナイトジャスミン(牝 栗東・吉田直弘 父ディープインパクト、母ウィンターコスモス)
母ウィンターコスモスは不出走馬だが、2代母ミスパスカリはマーメイドS(GIII)3着馬で、名馬クロフネの半妹にあたる。「ディープインパクト×キングカメハメハ」はJRAで1頭しかデビューしていないが、それがローズS(GII)とフローラS(GII)を勝ち、ジャパンC(GI)でも2着と健闘したデニムアンドルビー。期待できる組み合わせだ。母ウィンターコスモスはMr.Prospector 3×4なので仕上がりは早いだろう。クロフネ牝系でキンカメとディープを掛けたという“金子配合”で、もちろん馬主は金子真人ホールディングス。芝向きのマイラーだろう。
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ナリタレアル(牝 栗東・宮本博 父フレンチデピュティ、母ナリタジューン)
2代父Deputy Ministerと母の父フジキセキはニックスの関係にあり、両者を併せ持つ馬にはカネヒキリ、ミラクルレジェンド、メイケイペガスター、デグラーティア、トウショウカズン、ホーマンフリップ、ゴーハンティングなどがいる。母ナリタジューンは現役時代ダートの準OP馬で、2代母オースミリンドはOPまで到達した馬。本馬の半兄、つまり母にとっての初子であるナリタパイレーツ(父ジャングルポケット)はすみれS(OP)を勝った。2代母の父にMr.Prospector系のWoodmanが入るのはスピード面のサポートとなるので好ましい。芝・ダート兼用のマイラー。
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ヤマノフェアリー(牝 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母ベネンシアドール)
ローズS(GII)とフローラS(GII)を勝ち、ジャパンC(GI)でも2着と健闘したデニムアンドルビーの全妹にあたる。母ベネンシアドールは不出走馬ながらトゥザヴィクトリー(01年エリザベス女王杯-GIなど重賞4勝)、サイレントディール(03年武蔵野S-GIII、07年佐賀記念-JpnIII)、ビーポジティヴ(02年クイーン賞-GIII)などの半妹にあたる良血で、トゥザグローリー(11年京都記念-GIIなど重賞5勝)の4分の3同血でもある。「ディープインパクト×キングカメハメハ」の配合で唯一デビューした全姉デニムアンドルビーが重賞勝ち馬となったので、この配合は成功しそうだ。デニムの域に到達するような優れた競走馬となることを期待したい。