◆有力勢の脚質と米国馬の存在がカギ
ジャパンCダートが阪神競馬場のダート・1800mで行われるようになり今年で6年目を迎える。
過去5年の勝ち馬(トランセンドは連覇しており4頭)の決まり手は逃げ切りが3回。好位抜け出しが2回だ。
当コースは全体的に平たんである。
隊列が決まれば出入りの激しい展開にはなりにくい。
緩みのないラップが続き直線に急坂があることで適度に上がりの数字を要する特徴を持つ。
さらに昨年のように前半も後半もラップが落ちることがなく勝ち時計が1分48秒8という厳しい戦いになる可能性まである。
これは勝ち馬ニホンピロアワーズのタイムが突出していた。2着のワンダーアキュートの走破時計1分49秒4は例年なら十分に勝利に手が届く数字だ。
傾向から判断して後方待機から差し切るのは難しいと考えたほうがいいだろう。
まして今年はダート路線の一線級が余すところなく集結している。
そして有力勢の脚質は先行タイプか好位につける組がほとんどだ。
ポイントのひとつはこの有力勢の脚質だろう。
もうひとつは米国馬パンツオンファイアの存在ではないか。
昨年同様にシビアなラップが続くメンバー構成。
さらに有力勢の脚質を考慮すれば4角手前、少し早めに攻防はより激しさを増すと思われる。
好位からポジションをひとつ下げた組に好機があるのではないか。
後方待機ではつらい。中団より少しまえ。つまり例年よりは後ろに位置する馬にチャンスが出てくるように感じるのだ。
米国史に残る名手スティーヴンスが騎乗するとはいえ米国馬がコーナーごとに外に膨れる場面も想定すべきだろう。
1角がキーポイントか。10番の同馬より外枠に入った馬はロスが生じるかもしれない。
◆枠順にも恵まれたローマンレジェンド
ローマンレジェンドを推す。
良化途上の印象が強かった前走で3着。59キロを背負い4角では接触しながらいったんは抜け出す勢いを見せた。
研ぎ澄まされたシルエットを描きこのステージに合わせてきっちり上昇している。
枠順もいい。通常よりやや位置取りを下げてほかの有力勢を見据える形で抜け出してくるのではないか。
グランドシチーは自分の型を持ち不発がない。確かな末脚が今回は展開面でより生きる。
怖いのがナイスミーチュー。中団につけられるようになっており当コースとの相性もいい。後手に回り外を回らされなければVの可能性が高まる。
クリソライトはレベルの高い3歳勢でもっとも地力がある。折り合えそうな今回は年長馬相手でも十分に通用する。
ホッコータルマエは豊かなスピードを持っているが4戦続けて地方競馬での戦いが続いている。久々の中央場所でシビアな流れに即座に対応できるかどうかだろう。
ベルシャザールは自在性がありセンスも上々。一気に相手が強化されることでパンチ不足に終わるかもしれないが潜在能力の高さに期待してみたい。
インカンテーションは古馬にもまれタフになってきた。必要以上に外々を回らされるようだと苦しいがおもしろい存在だ。