◆競馬学校時代にスティーヴンスに褒められた思い出
1991年、ジャパンCをゴールデンフェザントで制したゲイリー・スティーヴンスが、特別講師として競馬学校を訪れた。その時、生徒だった後藤浩輝は、スティーヴンスに騎乗技術を褒められたのだという。
「向こうにしてみればちょっとした言葉だったのかもしれないですけど、僕自身にとってはそれがすごく自信につながった。教官もあのスティーヴンスが褒めたことで僕への見方が変わったと思うし、すごく大きなひと言でしたね。アメリカ競馬に憧れて、行ってみたいと思ったのもスティーヴンスのあの言葉があったからでした」
騎手デビューを果たし、その後フリーになった翌年さっそく米国遠征を行った後藤。騎手として大きな影響を受けた米国殿堂入りジョッキーに対する憧れはいまだに変わっていないという。
「乗り方もそうだし、たたずまい、ビジュアル…全てが格好いいんですよね。ジェリー・ベイリーとかと一緒にアメリカ競馬の全盛期を盛り上げてきた伝説のジョッキーですし、僕も今週末はいちファンとしてスティーヴンスの競馬を見たいと思ってます」
近年は短期免許で来日しているなじみの騎手ばかりがシリーズメンバーに名を連ねることが多く「やる意義がないのではないか」と存在自体が疑問視されることも少なくないWSJSだが、今年のスティーヴンスのように、めったに日本に来ない世界有数の騎手が参加するならば、イベントとしては大いに盛り上がる。
JCダートで騎乗するパンツオンファイアも含め、「生きる伝説」とも言われるジョッキーの騎乗、立ち居振る舞いなど、まさに見逃せない週末になりそうだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)