パドックで馬を引く厩務員に注目する「馬券ゲット法」発見/トレセン発秘話
◆厩務員さんの“好相性”を見つけて馬券をゲット!?
相性は大事である。いや、それがすべてだ。
日曜(1日)中山1000万・霞ヶ浦特別(ダ1800メートル)。9番人気ヒメサクラの逃げ切り勝ちをぼうぜんと見守った宴会野郎の胸には、こんな苦い思いが渦を巻いた。
「休み明けを叩いても思ったほど変わってこないです。冬毛が伸びてむしろ見栄えは悪くなりましたね。夏馬かなぁ…。距離も千八じゃ長いと思うし、当初依頼した2人の騎手に断られての出走。いや〜景気のいい話ができずに済みません」
先週こんな言葉を発したのは、何を隠そうヒメサクラを担当する笹浪調教厩務員。5ハロン通過63秒8の“緩流”を2番手追走、加えて人気馬凡走という利は確かにあった。だが、この結果を偶然と片付けることは過去の歴史が許さない。違うか、笹浪クン?
「確かにそうかもしれません」
本人も認める通り、彼とはユキノサンロイヤル(05年GII日経賞V)からの長い付き合いだが、取材で成果を得た経験は皆無。そればかりか「デキひと息」と聞けば激走し「今度は楽しみ」とささやかれれば馬券に絡まない。酒を酌み交わした夜は数え切れないが、馬券を取って乾杯というケースはゼロ。何という相性の悪さ。何と恐ろしい悪友だろうか。
ただ、当の笹浪クンにとって、今年1月に移動した柴田政人厩舎との相性は最高だ。以前に所属した粕谷厩舎では5年で2勝止まりだったが、10年ぶりに調教厩務員に復帰した今年、あっさりその数字を超えた。「全くダメな年もあれば、意外なほど勝つ年もある。それがこの仕事だろうし、馬にも出会い、相性があるんでしょう」と涙目の当方をよそにホクホク顔だ。
何にせよ、勢いのあるやつには気を付けろということか。パドックもサラブレッドだけを見る場にあらず。読者の方々も馬を引く(笑顔の?)厩務員に注目しておくと、思わぬ好相性を見いだし馬券をゲットすることがあるかもしれない。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)