開幕週の中山は、特に高速馬場と呼んで早いタイムが常識となっていたのですが、重賞第一弾の京成杯AHを見ると、そうでもなかったと思わざるを得ません。少なくとも、1分32秒台での決着と見ていたこのマイル戦の今年の勝ち時計が1分33秒9、これは予想外でした。
勝ったブレイクタイムは、昨年はこれより2秒も早いタイムで好位置から楽に抜け出していたのですから、このタイム差は大きいものがあります。51キロのシベリアンホークが前後半がほぼ同じタイムという平均ペースで逃げ、これを早め2番手で追い掛けた58キロのブレイクタイムがゴール寸前で捉えるという、あまり変化のないレースでした。3着のオースミコスモでさえ、この2頭の直後で折り合いに専念し、そこからなだれ込んだのですから、ペースが予想以上に落ち着いていたことと、全体に時計のかかる馬場であったことは、今後のレースの参考になる事柄でしょう。
前日の紫苑S(1800m)も、レンドフェリーチェの勝ちタイムが1分49秒7、3コーナーから持って行かれたレース運びでこのタイムですから、やはり、開幕週は高速馬場ではなかったということです。
この2つのレースは、片や秋のマイル戦線の、片や秋華賞の前哨戦だったのですが、これでは参考外と言わざるを得ないでしょう。
今開催の中山の芝が、今後も時計のかかる状態かどうか、大いに注目しなければなりません。ペースもあまり速くならないとなれば、一考を要するところ。重賞レースも、この次がタイトル戦というケースが多く、本番での検討にも、例年よりも力の要る馬場での前哨戦であった場合は、ひとひねりもふたひねりも必要でしょう。
とにかく、今の競馬は、馬場状態をどうつかむかが、大きなポイントになっています。頭を切り換えて次の競馬を見ましょう。