◆このタイミングで振り返っておきたいの早期デビュー馬の成績
2歳戦も間もなく終わろうとしているが、このタイミングで振り返っておきたいのが早期デビュー馬の成績である。
御存知の通り、デビューが見えている馬はドラフトで人気になる。最近は2歳戦が前倒しされているので、さらに気が急く状況にもなっている。
一般のPOGで早期デビュー馬を指名する場合にはそれなりに順位を上げる必要があるわけだが、それだけの価値はあるのだろうか?
今年はレッドリヴェール、イスラボニータ、マーブルカテドラルと6月デビュー馬が活躍している。6月デビュー馬の成績は、
327頭中98頭勝ち上がり(勝馬率30.0%)1頭あたり賞金525万円、1走あたり賞金119万円となっている。
それに対し7月デビュー馬は、
350頭中87頭勝ち上がり(勝馬率24.9%) 1頭あたり賞金352万円、1走あたり賞金94万円という状況。これだけを見ると「やはり早期デビュー馬だ!」ということになるが、話はそう単純ではない。
今年の2歳馬+過去10世代の「6月デビュー馬の2歳時成績」はこうなっている(2歳世代は阪神JF終了時点)。
世代 出走数 1走賞金 1頭賞金 2歳時勝馬率
現 2歳(2011年産) 1438 119万円 525万円 30.0%
現 3歳(2010年産) 1474 117万円 583万円 33.8%
現 4歳(2009年産) 618 142万円 670万円 35.1%
現 5歳(2008年産) 709 112万円 527万円 29.8%
現 6歳(2007年産) 677 109万円 524万円 32.6%
現 7歳(2006年産) 604 144万円 621万円 36.4%
現 8歳(2005年産) 720 142万円 651万円 35.7%
現 9歳(2004年産) 648 147万円 690万円 36.2%
現10歳(2003年産) 594 120万円 563万円 34.6%
現11歳(2002年産) 539 164万円 811万円 38.5%
現12歳(2001年産) 662 152万円 731万円 33.3%
この後朝日杯を含め2週が残っているが、それでも1頭あたり賞金は600万円には達しないだろうし、朝日杯勝ち馬が出ないとおそらく昨年を下回る。勝馬率も上積みして1〜2%だろう。
こうして見るとかつての早期デビュー馬はそれなりにおいしかったが、番組が変わった現3歳→2歳はいずれも4歳世代のパフォーマンスを下回っているし、7歳以上世代が2歳だった頃よりも低い。
最近のほうが「血統価値のある馬の早期デビュー」が増えているのに、成績はそれに逆行するようだ。ついつい「早いタイプ」に目が向いてしまうPOGだが、それだけではいけないのだろう。