---

◆サングレアル、落鉄の影響はなし

　阪神JF、ハープスターがゴール手前で抜け出た瞬間、思わず「勝った!」と叫んでいたわたしですが…。その先、ゴール板でクビを伸ばしたのはレッドリヴェールでした。レッドリヴェールはカイバ食いが細くて細くて。与えられたものを全部食べきれない女の子。対して、ハープスターは食べる必要のない寝藁を食べ続ける大食漢(笑)。これほどまで対照的な2頭が、2歳冬にしてゴール前であれほど厳しい戦いをするとは…想定外でした。両馬が来春、再び対決する姿がみたい!待ち遠しいですね!!

　その後のハープスターですが、とても元気にしていますよ。レース後、体はスッキリした印象。毛ヅヤも幾分よくなったような。実にきびきびと歩いておりました。

　でも、心のほうは…ちょっとイライラしているかんじがしました。運動に出るとき、ちょっとうるさいしぐさを見せたり。変化?かもしれないけど、今までのハープスターらしくないかんじ。これには松田博師も「以前はホント大人しくて、暴れたところなど見たことない馬なんだけど」と苦笑い。阪神JF、弾けたらずに消化不良だったのかな(苦笑)??と察します。まぁ、馬は喋れないので正解はわかりませんが。ほんと、レースって難しいですね。次は心身ともにスカッとしますように。

　福寿草特別を視野に入れて調整中のサングレアル。実はデビュー戦で右前脚の蹄鉄を落鉄していました。VTRを見ると1分1秒あたり。位置でいうと4コーナー手前で蹄鉄が飛んでいるのがわかります。

　まだ追い出す前のタイミング。片方裸足でゴール前あれだけ伸びているんですから…すごい!!!!!

　ファンの皆さんは落鉄の影響を心配されると思いますが、「それはない。大丈夫」(松田博師)とのことですよ。普段どおり、マイペースで元気です。安心してくださいね。

◆ウインバリアシオンはさらに調子上向き

　来週はいよいよ有馬記念。金鯱賞では長期休養明けのブランクを感じさせない走りを見せたウインバリアシオン。さらに調子が上がってきましたよ。水曜の1週前追い切りは中山助手が乗って坂路コースで。竹邑厩務員と一緒に見ていました。予定では「中2週だし、坂路で大きめにゆったり乗って、終いだけ伸ばす」(竹邑厩務員)とのことでしたが、実戦を叩いてかなりいい雰囲気になってきていますからね。時計を出すつもりがなくても出ちゃうんじゃない!?と思いながら見ていたら…。やはり、出てしまいました。全体で54.3、上がりは12.9でした。竹邑厩務員は「ちょっとだけ速いかなぁ」と言いつつ、まぁこれも想定内というかんじでした。

　有馬記念の馬体重ですが「輸送はあるけど、ちょっと減るくらいじゃないかな」(竹邑厩務員)とのこと。いまも腹まわりが丸いんですが、アバラ骨もしっかり浮いているし、そういう骨格で固まったのでは?と察します。実際、「金鯱賞前に(馬体重や余計な脂肪を減らすために)いくら汗とりをしても、腹まわりは減らなかった」(竹邑厩務員)そうですから。

　戦列から離れて体型は変わったバリですが、中身はちっとも変わりません。調教を終えて馬装を取ったら、まず竹邑厩務員のお尻に頬ずりならぬ、顔ずり(笑)。しっかり甘えたあとは、体を洗います。仕上げに“汗こき”と呼ばれる金属製の道具で水分を取り除きます。汗や水が馬体についたままでは、体が冷えますからね。洗ったあとはすぐにこの作業をするのです。しかし、バリはこの“汗こき”が大の苦手で。毎朝、必ず“反抗”します。ついさっき、あれほど甘えていたはずの竹邑厩務員を“蹴るぞ!”とばかりにうるさく振る舞うんです(苦笑)。

「新馬のころから毎朝このパターン。汗こきに全然慣れてくれない」と竹邑厩務員。そう言いながらも、「この日常がかえってきてくれて、本当に嬉しい」と感慨深げでした。

　バリが決して軽くはない屈腱炎になったとき、この当たり前の光景が二度と見られない可能性も大きかったわけで…。

　当たり前の毎日がかえってきた。

　これほど嬉しいことはありません。有馬記念でも、あの末脚が再び見れることを願ってやみません。

……最後に、甘えん坊のシゲルスダチくん。やんちゃで手を焼かせるスダチとの毎日も、かえってくるといいな。