スマートフォン版へ

【有馬記念特別企画】当事者が語るGI制覇の舞台裏〜ダイユウサク・熊沢重文騎手Part3

  • 2013年12月17日(火) 12時00分


◆岡部幸雄騎手に乗り替わりの話も

 その後は再び短距離路線にシフトし、スワンS4着、マイルCS5着。マイルCSは、勝ったダイタクヘリオスからコンマ5秒差であり、短距離路線ならGIでも十分にやれるまでになっていた。

「強い相手とも差のない競馬をしてくれるようになってね。瞬発力といういい武器を持っていたし、その武器を生かせれば、GIでもチャンスがあるんじゃないかと思っていた。だから、有馬記念を目指すと聞いたときも、僕と平田先生は、できればスプリンターズSに使ってほしいと思っていてね。僕は先生に意見できる立場ではなかったけど、平田先生はけっこう内藤先生にお願いしてくれたんじゃないかな。でもね、そのあたりは本当に頑固な先生だったから(笑)。結局、有馬記念の2週前にマイルのオープン(阪神競馬場新装記念)を勝って、推薦枠で出られることになったんだけど」

 1200mから2400mまで、あらゆる距離でダイユウサクの可能性を探ってきた内藤は、周りが思う以上に、中山2500mに手応えを感じていたのだろう。所属の熊沢を不動の主戦として起用してきたが、当初、有馬記念の鞍上として、岡部幸雄の起用を視野に入れていた。

「直接先生から言われたわけではないんだけど、そういう話があることは、僕の耳にも入ってきていた。当時の心境はあまり覚えていないんだけど、相手が岡部さんということもあって、ショックというより仕方がないなって思ったような気がする。それ以前に、乗り替わりの話を聞いても、なんか乗れそうな気がしていてね。岡部さんほどの人が、有馬記念で乗り馬がいないわけがないと思ったし、実際にミュージックタイムがいたからね」

 デビュー6年目を迎えていた熊沢だったが、それまで中山コースは未経験。そのあたりを内藤は危惧したのかもしれないが、「手に入る資料はすべて手に入れて、有馬記念の過去の映像も見尽くした」という熊沢は、何の不安もなく当日を迎えたという。

「内藤先生とつながりのあった関東の相川先生が、馬場の雰囲気だけでも知っておいたほうがいいからって、有馬記念当日に乗り馬を用意してくれたんですよ。僕としても、それはありがたいと思って出馬表を見たら、なんと最終レースで。“意味ないやん!”って感じだよね(笑)。今となっては、すっかりネタですが(笑)」

続きはプレミアムサービス登録でご覧になれます。

登録済みの方はこちらからログイン

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

有名予想家・ライターによるGIスペシャルコラムや、有力馬密着レポート、1週前からの調教レポートなど、GIレースの攻略情報をどこよりも詳しく、より濃密にお届けします。公開はプレミアムサービス限定となります。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング