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ディープ産駒の成功方程式に合致、レッドアヴェニュー

  • 2013年12月18日(水) 12時00分


コパノビクトリア(牝 栗東・宮徹 父ディープスカイ、母ヒガシリンクス)
 半兄コパノリチャード(父ダイワメジャー)はスワンS(GII)、アーリントンC(GIII)の勝ち馬で、4分の3姉コパノオーシャンズ(父アグネスタキオン)は北九州記念(GIII)4着馬、という華やかな血統。2代母ビッグラブリーはNijinskyとRed Godのニックスを、母ヒガシリンクスはトニービンとCaerleonのニックスを持つ綺麗な配合展開で、母はサンデー系種牡馬と交配して誕生した前出の2頭がいずれも重賞クラスに出世しているので、同じくサンデー系のディープスカイを父に持つ本馬にも期待したいところ。父は現役時代に日本ダービー(GI)とNHKマイルC(GI)などを制した実力馬。今年デビューした初年度産駒は5頭勝ち上がっているものの、正直なところ期待の割にはもうひとつ。ただ、ディープスカイ自身が3歳を迎えてから本領を発揮しはじめたように、これからの巻き返しに注目したい。

リキサンエルピーダ(牝 美浦・奥平雅士 父ネオユニヴァース、母リキサンピュアティ)
 4分の3兄リキサンステルス(父マンハッタンカフェ)はダート路線で着実に出世し、3歳馬ながらOP入りを果たした。母リキサンピュアティはナリタセンチュリー(04年京都大賞典-GII、05年京都記念-GII)の全妹ながらダート色が濃く、現役時代に挙げた3勝はいずれもダートでのものだった。「ネオユニヴァース×トニービン×ノーザンテースト」という配合はネオヴァンドーム(10年きさらぎ賞-GIII)、トーセンファントム(09年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着)、ジョーメテオ(13年オーバルスプリント-JpnIII・3着)などと同じ。前述のとおりパワー色の強いファミリーなのでダート向きに出る可能性が高そうだ。

ルルパンジョンヌ(牡 栗東・西園正都 父アドマイヤムーン、母ルルパンブルー)
 母ルルパンブルー(父ジャングルポケット)はフェアリーS(GIII・芝1200m)の勝ち馬。4代母スリードーターはニッポーテイオー(87年天皇賞・秋-GI、87年マイルCS-GI、88年安田記念-GI)、タレンティドガール(87年エリザベス女王杯-GI)の半姉にあたる良血で、その子孫からホエールキャプチャ(12年ヴィクトリアマイル-GI)をはじめ多くの活躍馬が誕生している。本馬の父アドマイヤムーンは現役時代、ジャパンC(GI)や宝塚記念(GI)などを制しているものの、種牡馬としてはハクサンムーン(短距離重賞3勝)、レオアクティヴ(12年京成杯オータムH-GIII)、ファインチョイス(11年函館2歳S-GIII)などスピードを活かすタイプが目立ち、距離をこなす子でもアルキメデス(13年朝日チャレンジC-GIII)のような2000mタイプが限界。母は芝1200mの重賞を勝っているが、母の父はスタミナ定評のあるジャングルポケットなので、本馬の適距離はマイルぐらいに落ち着きそうだ。

レッドアヴェニュー(牡 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母ニアメ)
 母の半兄DomedriverはブリーダーズCマイル(米G1)など3つの重賞を制した好マイラー。3代母Bella Senoraはトライマイベスト(全欧2歳チャンピオン)、El Gran Senor(84年愛ダービー-GI、84年英2000ギニー-GI)の全妹にあたる超良血。母の父Pivotalはスプリンター〜マイラータイプの種牡馬。しかし、父ディープインパクトはこうしたタイプの種牡馬と相性抜群。「ディープ×Pivotal」の組み合わせから出た活躍馬にはダノンジェラート(12年セントライト記念-GII)がいる。また、母方にNureyevとBlushing Groomを併せ持つディープインパクト産駒、という切り口ではヴィルシーナ(13年ヴィクトリアマイル-GI)、フレールジャック(11年ラジオNIKKEI賞-GIII)、ベストディール(12年京成杯-GIII)、アトム(13年デイリー杯2歳S-GII・2着)などの名前が上がる。いずれにしても父ディープインパクトの走るパターンに合致しており、大きな期待を掛けることができる。芝向きのマイラー〜中距離タイプ。

レッドロザリー(牝 栗東・松田国英 父ゼンノロブロイ、母フェアリーバラード)
 グラッツィア(父キングカメハメハ/13年マーチS-GIII・4着)、スーパームーン(父ブライアンズタイム/準OP)、レジュールダムール(父Kingmambo/準OP)などの半妹にあたる。2代母Angelic SongはGlorious Song、Devil's Bag、Saint Balladoなどの全きょうだいにあたる超良血馬。母の父Sadler's Wells、という配合はやや重たいものの、Halo 3×3がそれを緩和している。父がゼンノロブロイで、母方にSadler's Wellsが入り、Haloクロスを持つ配合といえばコスモネモシン(13年新潟記念-GIII、10年フェアリーS-GIII)の名前が挙がる。芝とダート、どちらに出るかは半々の確率だが、いずれにしても高い能力を期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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