昨年の覇者ゴールドシップ。“連覇”への期待がかかるところだが、今秋は何かがおかしい。秋初戦の京都大賞典は、単勝1.2倍の断然人気ながら5着。そして、前走ジャパンCはまかさの15着。デビュー以来一度も掲示板をはずさなかった同馬の、初めての惨敗だった。ゴールドシップにいったい何が起きているのか。そして、鞍上を内田騎手からムーア騎手にスイッチして、期待することとは。指揮官・須貝尚介調教師を独占直撃した。(取材・文:井内利彰)
◆走ることをやめてしまった―精神的な問題 デビューから15戦、負けても掲示板を外したことはなかったゴールドシップが、16戦目に初めて味わった、屈辱の15着。レースを終え、元気なく地下馬道へ引き上げていく姿に西日が照りつける姿は印象的だった。
レースに対する適性がなかったのか、走る気持ちがなかったのだろうか。いくらなんでも負けすぎた着順に、これまでゴールドシップを応援してきたファンも、今回の敗戦をどのようにして受け止めたらよいか分からない、そんな気持ちではないだろうか。
「追い比べになって、ズルズル後退していったとかいう負けではなく、全く走らず、レースに参加していない負け。応援してくださったファンの方には申し訳ない結果になりましたが、力を出せなかっただけです。今は変な癖がついて、走ることをやめてしまっています。馬体には全く問題ないから、本当に精神的な問題。敗因は明確だから、それを改善するためにいろんな工夫をしていきます。力を出し切れば、去年の有馬記念や宝塚記念のようなレースができるわけですから」
■ジャパンCレース映像
◆最終追い切りで試みた様々な「工夫」 18日の最終追い切り。様々な「工夫」がなされた調教だったが