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08年スカーレットのリベンジ成功のウラに…/トレセン発秘話

  • 2013年12月20日(金) 18時00分


◆2008年有馬記念を振り返る松田国師「どこに比重を置くかが重要」

 松田国調教師はダイワスカーレットの生涯成績を改めて振り返った時、自分が情けなくなってしまうのだという。

「もっと勝てたはず。取りこぼしたレースが多かったなと思うんです」

 2007年に2着に敗れた有馬記念もそのひとつで、「4角で外から来る馬を気にしていたら、内からマツリダゴッホにすくわれてしまった。あれもなんとかなっていたんじゃないかという思いがあります」。

 翌年、「平成の名勝負」と称賛される天皇賞・秋で、1〜3着を分けたウオッカ、ダイワスカーレット、ディープスカイのうち、ウオッカとディープスカイがJCに向かったのとは対照的に、ダイワスカーレットは有馬記念に照準を合わせた。

「前年がもったいない競馬になってしまったのでどうしても有馬を勝ちたいという気持ちが強かった」と松田国師。有馬記念を勝つために「どこに比重を置くかが重要」と力説する。

「JCとか凱旋門賞、特に海外が目標になれば、その後は下がった状態から戻す作業となる。簡単なことではない」

 リベンジに成功した08年の有馬記念。レース前に安藤勝騎手と食事をした際、「アンカツさんがすごい自信を持っていたのが記憶に残っている」(松田国師)。もともと一番強い馬がJCをスキップして有馬に向け全力で調整していったのだから、それも当然か。

「人気になるのはJCや凱旋門賞を走った馬になるんでしょうが、それらのレースを走らず有馬を狙ってくる馬がいれば、そっちが上位に来ることもある。トウカイテイオー(1993年)が1年ぶりの休み明けで勝ったのもそういうところに理由があったのではないでしょうか」

 果たして今年、余力を残して有馬に全力投球してきた馬はどれなのか? その馬こそがオルフェーヴルを脅かす存在になるのかもしれない。

(栗東の坂路野郎・高岡功)

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