松山騎手と川須騎手の『トレセン案内&厩舎訪問』の最後は、スタンドでのトレセントーク! 「キシュトーーク!」に寄せられたトレセンにまつわるユーザーからの質問に、ふたりが最後までノリノリで答えます!
(取材・文/不破由妃子)
最後はスタンドに戻ってのトレセントーク。いきなり誰かが置いていったメガネをかけると、この変顔(笑)。このふたり、本当に明るくておもしろい!
──今日は1日お付き合いいただき、ありがとうございました。最後は、ユーザーからの質問コーナーで締めたい思います。世間一般の人からすると、トレセンは完全に未知の世界のようで、たくさん質問が届いています。一番多かったのが「トレセンならではの習慣や習わしを教えてください」というものです。
川須 何はともあれ、馬優先! あちこちに「馬優先」の標識が立っています。
──たしか、車やバイクも制限速度20キロですよね。
松山 そうです。まぁ、馬がいない時間帯はアレですけど(笑)。あと、どこの世界でも同じだとは思うんですが、とにかく挨拶だけはしっかりしますね。
川須 ああ、それは厳しいですよね。たとえ知らない人でも、挨拶だけはきちんとする。
松山 最近はさすがにないけど、前はトレセンの外を歩いてるときも、ついついすれ違う人に挨拶をしそうになったり。川須もあるやろ?
川須 ないでーす!
松山 マジで!? だって、トレセンにいるときって、挨拶をする回数が半端じゃないでしょ? 馬の集団とすれ違うときとか、ひとりひとりに「おはようございます」「おはようございます」「おはようございます」って、1日100回以上挨拶するじゃない。だから、癖がついてしまって、トレセンの外でもついつい…。
川須 僕はないでーす(笑)! 松山先輩、おもしろいッスね。
──え〜、どうやら松山くんだけのようです(笑)。挨拶以外で、トレセンならではの習慣や習わしはありますか?
川須 これは、トレセンというより競馬界なんでしょうけど、勝ち祝いは独特だと思います。世間一般では、勝った人に対して周りがお祝いをしてくれるじゃないですか。でも競馬界は、勝った本人がお祝いするというか、乗せてくださった厩舎などに、ジュースやお酒などを贈るんです。
松山 ああ、それは独特かもしれないね。
川須 僕は乗せていただいた時点で、お礼に飲み物を1箱差し入れてます。勝ったら勝ち祝いとして4箱。
松山 僕も。だから、土日で20鞍乗ったとしたら、最低でも20箱。そう考えるとスゴイけど、あくまで気持ちだし、そういう出費は全然惜しくないですね。
川須 僕もそうです。
松山「乗せていただいた時点で、お礼に差し入れてます」、川須「僕もそうです」
──続いては、調教にまつわる質問です
「一番、馬に負荷がかかるのはどのコースですか?」
川須 やっぱり山(坂路)じゃないですか。
松山 CWやろ。いや、違うか…。
川須 結局、負荷をかけるという意味では同じなんですよ。800mの坂路を駆け上がっても、CWを1周半しても、追い切ったあとのハァハァっていう馬の息づかいは変わりませんし。ただ、坂道を全力でダッシュするのと、コースを長めから徐々にスピードを上げていくのでは、効果は違いますよね。
松山 うん、違うと思う。あくまでも僕だったらの話だけど、ちょっと太めかなと思ったら、CWで長めからやりたいと思うし。
川須 脚元が弱い馬には坂路が一番安全だけど、逆にトモが弱い馬なんかは、坂路で乗ったらガタッとくる。そういう意味で、確かに目的と効果は違いますけどね。
松山 でも、どこのコースをメインにするかは先生の考えにもよるから、厩舎のカラーによっても違うよね。
──続いても調教にまつわる質問です。
「これは走る!と思う馬の、時計の目安はありますか?」
川須 ん〜、坂路では52秒台から出たら、“いいな”とは思いますね。でも、時計じゃないんですよ〜。
松山 そう、あくまで感覚なんです。馬場状態によっても、時計はだいぶ変わってきますからね。
川須 それに、同じポリトラックでも、一番内側を走るのと一番外側を走るのでは、全然時計が違います。
松山 CWもそう。内を通ったほうが、断然時計は出る。
──では、時計そのものではなく、どこを通ってその時計を出したのかに注目したほうがいいということですね。
松山 だと思います。時計の目安でいえば、たとえば、坂路で52秒の終い14秒0とかだと、あまり良くないかなぁとは思いますけど。
川須 それなら、55秒の終い12秒0のほうが、調教内容としてはいいですよね。
松山 そうそう。ただ、時計を出す出さないにしても厩舎によって違うから、その厩舎が、時計を含めていつもどういう調教をしているのか、厩舎ごと、馬ごとの特徴をつかんでいったほうがいいと思いますよ。
松山騎手、川須騎手、長い時間ありがとうございました!ありがとうございました!
【次回のキシュトーーク!は?】
久々に5人全員が顔をそろえての大新年会! それぞれに2013年のベストレースや出来事を振り返りながら、ぶっちゃけトークを繰り広げます。どうぞお楽しみに! 公開は1/8(水)です。