アルフレードが“常識を覆す激走”見せる/トレセン発秘話
◆ダートで復帰、久々のアルフレード陣営は本気
7日、13年度のJRA賞が発表された。質、量ともに栗東に押され通しの美浦トレセンだが、今シーズンの“希望の光”は最優秀2歳牡馬に輝いたアジアエクスプレス。芝、ダートともに底を見せていない無敗馬が、今年はどの舞台で、どれだけの飛躍を見せるのか。ローテーションを含めて目の離せない存在だ。
さて、放牧で充電中のその2歳王者と入れ替わるように、11年の最優秀2歳牡馬アルフレードが年末に美浦に帰厩。12年日本ダービー(13着)以来の戦列復帰をいよいよ今週迎える。
右前脚の屈腱炎で約1年半のリタイア。復帰初戦が未知数のダート戦・大和S(11日=京都1400メートル)とあって、馬券的には敬遠されそうなムードだが…。調教パートナーの矢嶋助手は「年が替わっても手塚厩舎の勢いは止まらない。それをアピールしたいですね」と懐疑的な周囲の視線に猛反発。初芝でGI制覇を遂げたアジアエクスプレスの逆バージョンでのカムバック賞を本気で狙っている。
当初予定した昨年5阪・ギャラクシーS(ダ1400メートル)は賞金除外。3週スライドの出走となったが「脚元に爆弾を抱える馬。乗り込み量が増すことは逆に不安でしたが、順調に来れたのは何より」と矢嶋助手。年末に手綱を取った松岡正海も「1年半ぶりとは思えないくらい心身ともに出来上がっている」と仕上がりに関しては満点を与える。
一方、芝GI馬の路線変更をどう解釈すればいいのか。気になるこのテーマに関して、管理する手塚貴久調教師は冷静かつ力強くこう話す。「脚元への負担を意識した選択であるのは確か。それでも父がシンボリクリスエスという血統背景、パワー型の走りを踏まえれば、適性は十分に秘めていると思う。これからは一戦一戦が勝負になってくるし、決して叩き台という意識で使うわけではないよ」
初ダートでも「砂をかぶらない外枠」(手塚師)を引き当て「久々の実戦でイレ込まなければ」(松岡)の条件が揃った時…。常識を覆す激走が見られるはずだ。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)