抽選パスなら楽しみなアデイインザライフ/トレセン初秘話
◆アデイインザライフの鈴木康広調教師は色気たっぷり
月曜(13日)中山のGIIIフェアリーSで2着の◎ニシノアカツキ(10番人気)に目をつけたまではよかったが、肝心の勝ち馬オメガハートロック(1番人気)はノーマーク。終わってみれば、的中馬券は複勝(640円)のみという情けない結末だった。
木曜(9日)の投票所では「アルテミスSとは真逆になったね。あの時は同馬主のニシノミチシルベ(3着)が抽選をパスしてアカツキが除外。今回はミチシルベが除外でウチのが入ったわけだから。このチャンスを生かさない手はないし、今度こそ運も味方してくれそうな気がするんだ」と笑顔を見せていた武藤調教師。
以前当欄で記したが、キャリアの浅い馬同士の競馬は、得てして陣営の“直感”が当たるもの。レース後は「チグハグな競馬が続いた近走が実力じゃない。言った通りでしょ? 賞金を加算したこれからは桜花賞トライアル一本を目標にして調整できる。でも勝ち馬に2度も外に振られる不利がなければなぁ」と安堵感と悔しさを交互に表した武藤師だったが…。3日間競馬でボロボロになった宴会野郎より実りは、はるかに大きい。
さて、今週も中山メーンは3歳重賞のGIII京成杯(19日=芝内2000メートル)。フルゲート16頭に21頭がエントリー、1勝馬にとってヤキモキする時間がしばらく続く。中でも鈴木康広調教師が先週から色気を見せているアデイインザライフは、動向が気になる一頭だ。
「もちろん流れは違うけど、上がり3ハロン(35秒3)は当日のホープフルSや有馬記念のオルフェーヴル(36秒0)より速かった。1勝馬にどれだけ枠があるかだけど、重賞でどこまでやれるか測ってみたいと思わせるものはある」
母ラッシュライフは生粋のスプリンターだったが、こちらは父ディープインパクトの血を色濃く継いでいるのだろう。「追い切りで息が乱れたのを見たことがない。心肺機能は相当なものだし、多少コースロスをしてもダイナミックな走りを生かしてほしい」とは番頭格の鈴木助手。陣営の感触通りなら、こちらも重賞通用の器。果たして今週こそウイン=ウインの関係を築けるか?
(美浦の宴会野郎・山村隆司)