高齢牝馬の血を蘇らせるディープインパクトとステイゴールド
◆この時期からまだまだクラシック候補が出てくるディープインパクト
昨年12月から今年にかけて、ディープインパクト産駒が新馬戦を続々と勝ち上がっている。先週の京都(牝馬限定のマイル戦)でも、チョコレートバインが絶望的な位置から力強く追い込み、勝利をものにした。
追い切りで坂路の1番時計を出していた馬だ。半兄にオリービン(アーリントンC2着、NHKマイル4着)がいる。母のシャンクシーは仏GIIを2勝し、仏1000ギニーで3着となった実績がある。
19歳時の高齢出産が懸念されていたが、なかなかどうして素質が高そうだ。ディープインパクトやステイゴールドは、高齢牝馬の萎えかけた血を蘇生させる力を持っている。
昨春の日本ダービーを勝ったキズナ、暮れの阪神JFを勝ったレッドリヴェール。ともに母が20歳時の出産だった。前者の父はディープインパクト、後者の父はステイゴールドである。どちらも繁殖成績に“終わりの赤信号”が点灯するなかで大物を出してきた。
チョコレートバインの将来性はわからないが、次走のオープン戦か条件戦を勝ち、トライアルに駒を進めて権利を取れば、桜花賞に十分間に合うだろう。育成施設・技術、調教施設・技術、休養施設・技術の向上がそれを可能にしている。
先週のフェアリーSは有力馬の除外で、小粒なメンバー構成だった。ディープインパクト産駒も、ステイゴールド産駒もいなかった。勝ったオメガハートロック以外はまだ何とも言えない。
現時点では3歳牝馬戦線は阪神JF1着のレッドリヴェール、ハナ差2着のハープスターが抜けた存在となっている。これ以外は小粒の印象があるが、毎年、この時期から桜花賞の直前まで、ディープインパクトが次々と割り込んでくる。
チョコレートバインはたまたま見かけただけだが、暮れから正月明けにかけて勝ち上がった1勝馬が、おそらく2月から3月にかけて続々と浮上してくるはずだ。
牝馬なら、このローテーションでも十分間に合う。勝ち損ねると、そこで大きく後退することになるが、産駒の数が多い。このサバイバルに生き残った牝馬から、新たなクラシック候補が誕生することだろう。