ロードカナロアの種牡馬入りとキングカメハメハの後継
◆後継種牡馬争いは初期の産駒が有利
年度代表馬に輝いたロードカナロアが、1月16日、社台スタリオンステーションに種牡馬入りした。キングカメハメハ産駒の後継としては、ルーラーシップ、スターウォーズ、ローズキングダムに次ぐ4頭目、GI勝ち馬の種牡馬入りは3頭目になる。初年度の種付料は500万円(受胎条件)だという。
ローズキングダムは母の父にサンデーサイレンスが入っているが、ルーラーシップと同じくロードカナロアには入っていない。サンデーサイレンスが入った繁殖牝馬が、ネズミ算式に数を増やしているだけに、血統的には有利に働くだろう。
生産牧場は日高のケイアイファームで、かつてミルジョージ(日本リーディングサイヤー)を擁し、日高の零細牧場に恵みをもたらした中村畜産と縁が深い。中村畜産社長・中村和夫氏の長男、中村伊三美氏はケイアイファームの取締役であり、ロードホースクラブの代表でもある。
日高の生産者からロードカナロアを熱望する声は多かっただろう。しかし、今、日高に良質の繁殖牝馬を擁し、500万円の種付料を払える牧場は一握りしかいない。名馬が根こそぎ社台スタリオンステーションに入っていくのは残念なことだが、時代はめまぐるしく変化している。ロードカナロアのためを思えば仕方がない。
現在、種牡馬ランキングはディープインパクトが首位を独走。これにキングカメハメハが続き、3位以下を大きく引き離している。当分はこの状況が続くだろう。あと5年もすれば、馬産地はディープインパクトの後継種牡馬と、キングカメハメハの後継種牡馬であふれ返っているはずだ。
いつの時代もそうだが、大成功した種牡馬の後継は、後の世代になればなるほど割を食う。成功種牡馬のライバルが多く、よほどの競走成績を残さない限り、メジャーの牧場や馬主が相手にしてくれない。
後継はライバルが少ない初期の産駒ほど有利だ。サンデーサイレンスの初年度産駒フジキセキが、もし晩年の産駒であったなら、繁殖牝馬の数にも質にも恵まれず、これほどの成功は残せなかっただろう。ロードカナロアもそのチャンスを生かし、早目に成功の足固めをしておきたい。