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「殿下」の宝刀をいつ抜くか?

  • 2014年01月31日(金) 18時00分


◆「殿下だから買う」だけでは不十分、「元の仕組み」の理解が必要

「ダーレー・ジャパン・ファーム生産のシェイク・モハメド殿下所有馬は買い続けるだけで儲かる」というネタは2012年からホームページや某雑誌のコラム等で発表していました。

 2011年の該当パターンの単勝回収率は254%。複勝回収率は142%。JRAVANのデータなどを見れば2012年頃には誰でも書ける話です。ただし、過去のデータでプラスになっていたとしても「構造的な裏付け」がないパターンは将来的にはマイナスに転じます。

 殿下の馬が2011年にプラスを計上したのは「血統面」から見れば必然でした。
 殿下の馬は世界的に見ても一流レベルの繁殖牝馬が数多く揃っています。つまり「殿下の馬を買うこと」は「期待値の高い良質な牝系を買う」ことと、ほぼイコールだからこそ今後もプラスになるだろう。と2012年当時に判断したわけです。

 そして、2012年も該当パターンは単勝回収率は146%。複勝回収率は106%。
 2013年も単勝回収率140%。複勝回収率103%と2年連続でプラス収支を記録。

 馬券術「殿下の宝刀」を発表しておよそ2年。予想した構造がだいたい合っていたこともあり、これだけの回収率を記録しました。

 そして迎えた2014。現在、殿下所有馬の単勝回収率は44%。複勝回収率は177%。複勝中心なら今年も破壊力満点ですが、ベタに単勝だけを買い続けたら大幅マイナスに転落しています。昨年末グリーンチャンネルの「亀谷敬正血統データラボ」(youtubeで公開中)で殿下の馬券術を紹介したからオッズが下がったのでしょうか(笑)?

 いえいえ。亀谷の理論を真に受けて買う人なんてごく一部です。2014年の成績が落ちているのは「頭打ちの5、6歳馬が増えたこと」と「某種牡馬の数が増えた」影響が強いのです。

 また、先日、プリンセス・ハヤ名義、シェイク・ハムダン名義だった馬が、シェイク・モハメド名義に変わりました。モハメド殿下所有馬は増えますが「殿下のハズレ」も増えるのでベタ買いではマイナスへの圧力が強くなることでしょう。おそらくターゲットなどのデータソフトの回収率は2014年はマイナスになるかもしれません。

 では、殿下の馬券術はもう使えないのでしょうか?
「殿下だから買う」というだけでは、たしかに厳しいかもしれませんが「元の仕組み」はまだまだ使えるはずです。

 殿下の馬は期待値が高いのは「牝系」が優秀だから。ファミリーナンバーの現代版みたいなものを意識して「殿下の馬」とわかりやすく表現したまでです(ファミリナンバーとは大昔に作られた牝系の簡易記号)。

 頭打ちの馬を削除して、名牝系の馬を買えば、期待値が高いことは変わらないでしょう。(その作業ができるなら、別に殿下の馬じゃなくてもいいんですが)

「殿下のハズレ馬」を避け「血統ビーム黄金ガイド」にも書いたような「未知の才能が問われる局面」で「殿下の宝刀」を抜けば(殿下の馬を買えば)、まだまだプラスになる可能性は十分です。

 とコラムを書いて、シルクロードSがモハメド殿下の組み合わせ(レディオブオペラ、プレイズエターナル)でズバリ決まる。なーんてことは滅多にないのも競馬の面白さ。一応コラムに書いた以上、京都金杯のような馬券は買いますが。

 なお、シルクロードS、ならびに根岸Sの最終予想は亀谷敬正のホームページで。殿下の馬券術は2月に発売される「競馬王」でも特集されます。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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