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エイシンペペラッツ(牡 栗東・田所秀孝 父フレンチデピュティ、母エーシンマイスター)
母エーシンマイスターは未勝利馬だが、その半兄にエイシンデピュティ(08年宝塚記念-GI、08年金鯱賞-GIIなど重賞4勝)、エーシンダードマン(07年菊花賞-GI・4着)がいる良血。本馬の父はフレンチデピュティなので、エイシンデピュティとは4分の3同血(父が同じで母が親子)の関係となる。母の父に入るのがタイキシャトルなので素軽さは保てるだろう。母はHalo、Nijinsky、Mr.Prospectorを併せ持つので繁殖牝馬として期待できる。芝向きのマイラー。
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センターポイント(牡 栗東・荒川義之 父コマンズ、母レディミドルトン)
半姉レディオブオペラ(父Singspiel)は先週のシルクロードS(GIII)で2着。500万下から4連勝し、単勝1.6倍の断然人気に推されたものの、ストレイトガールの末脚に屈した。中2週で馬体重が14kg減り、完調とはいえないなかで健闘しているので、いずれは重賞を勝てるだろう。本馬の父はコマンズ。Danewin(現役時代に豪G1を5勝し種牡馬としても成功)の全弟で、オーストラリアの歴史的名馬Octagonalの甥でもある良血。現役時代はG3を勝った程度だったが、種牡馬としては兄Danewinを上回り、04-05年のシーズンから豪種牡馬ランキングベスト10を外したことがない。09-10年のシーズンからはベスト5以内に定着し、直近の12-13年は3位だった。日本ではまだこれといった大物は出ていないが、これから徐々に実績を作っていくだろう。デインヒル系のスピードタイプだけあって芝1200mの成績が最も優れている。本馬はDanzig 3×4なので素軽さという点では申し分ない。姉と同じく短距離路線で活躍しそうだ。
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ヒラボクハッピー(牝 美浦・田中剛 父タイキシャトル、母ジューンブライド)
母は中央未勝利馬ながら、ビッグフリート(02年関屋記念-GIII・3着)の全妹なので繁殖牝馬としては楽しみな存在だ。Nijinskyクロスを持つタイキシャトル産駒はニックスで、過去にゴールデンキャスト、ウイングレット、ディアチャンスといった重賞勝ち馬が誕生している。本馬はNijinsky 4×5なのでこのパターンに当てはまる。素軽さを活かして堅実に活躍するだろう。芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラー。
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ラプレシューズ(牝 美浦・手塚貴久 父A.P.Indy、母プリモディーネ )
母は99年の桜花賞馬プリモディーネ。アメリカへ渡って繁殖生活を送っており、これまでに6頭の産駒が輸入され、半数の3頭が勝ち上がっている。決して悪い成績ではないのだが、まだ2勝馬が出ていないので、期待の大きさからするとやや物足りなさを感じなくもない。本馬の父A.P.Indyは米リーディングサイアーに二度輝いた大種牡馬。米年度代表馬Mineshaftをはじめ多くの活躍馬を送り出し、力強くサイアーラインを伸ばしている。11年生まれのこの世代がラストクロップ。母方にアフリートを持つA.P.Indy系競走馬といえば、CCAオークス(米G1)などG1を3勝したイッツトリッキーがいる。母プリモディーネの配合的核心はTom Fool≒Flaming Page≒Spring Run 4×4・5・5のトライアングル。本馬はそれをTom Foolの息子Buckpasser 4×5によって継続発展させている。配合的には文句なしなので期待十分。
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ララマドンナ(牝 美浦・畠山吉宏 父フレンチデピュティ、母ラクシュミーギャル)
母は1勝馬でこれが初子となる。「フレンチデピュティ×フジキセキ」の組み合わせは、Deputy Minister(フレンチデピュティの父)とフジキセキのニックスが生じるので注目したい。カネヒキリ(ダートG1を7勝)、ミラクルレジェンド(13年エンプレス杯-GII、10年クイーン賞-GIII、12年マリーンC-GIII)、デグラーティア(08年小倉2歳S-GIII)をはじめ多数の活躍馬が出した実績がある。父がフレンチデピュティの場合、ほとんどダート向きに出るので、この馬もダート路線で堅実に稼ぐタイプだろう。
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ワルガキ(牡 栗東・笹田和秀 父ゼンノロブロイ、母レッドクローシュ)
4分の3兄ペプチドアマゾン(父アグネスタキオン)は京都新聞杯(GII)2着、日本ダービー(GI)4着という好成績を残している。父ゼンノロブロイはアメリカ血統過多といった趣があるので、重厚なヨーロッパ血統を抱えた繁殖牝馬との間に好成績を挙げている。母の父トニービン、2代母の父ノーザンテーストはいずれもHyperionの影響を強く受けているので悪くない。「ゼンノロブロイ×トニービン×ノーザンテースト」はギンザボナンザ(10年アネモネS-OP)と同じ。芝中距離でいいところがありそうだ。