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想像力は世界を包み込む

  • 2014年02月06日(木) 12時00分
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◆初重賞制覇の2頭に共通していたこと

 こう強く思ったのではないか。「想像力は、知識よりも大切だ。知識には限界がある。想像力は、世界を包み込む」と。時の人になった小保方晴子さんは、アインシュタインのこの言葉を知っていたように思えてならない。せっかく思い立ったのだから、決心して実行に移してみようではないかと、彼女の研究成果は、私どもに強いメッセージを送ってきた。先入観や常識に縛られていたら夢の万能細胞は生まれなかったのだから。

 シルクロードSも根岸Sも、どちらも勝者は初重賞制覇だった。レース前、それぞれの勝者にどんな想像をしていただろうか。こういう思考方法で検証してみるのも面白い。

 ロードカナロア引退後のスプリント界を担う上昇気流の新興勢力が揃ったシルクロードSは、4連勝中の大本命レディオブオペラを最初から目標にしていたストレイトガールが勝利した。昨夏、函館で4連勝していても高速馬場でどうかの課題があったが、これは単なる巡り会わせと思えばクリアできただろう。年令からも、完成の域にという期待もできただろう。根岸Sのゴールスキーは、想像の範囲に入る存在だった。何と言っても、ダートのGI4勝を挙げたゴールドアリュールの半弟だし、爪に不安を抱え重賞に手が届かなかったので、昨年6月からダートに転向していた。久々でも、東京の直線なら末脚に期待がかけられる。そして、本番でその通りの結果を出してくれたのだ。ダート6戦目でのこの勝利から、次にどんな想像が出来るかだ。

 2頭の勝利から見えてくるものは、こう戦おうという決意がはっきりしていたことだ。それをやり遂げられたという幸運もあったが、決心して実行に移さないことにはそうならない。東京の芝のマイル戦、東京新聞杯は上がり3ハロンに32秒台をイメージ出来れば、その馬は強い。かつて、ハットトリックが京都金杯につづいて重賞2連勝したシーンが思い出される。「想像力は世界を包み込む」これで適中の夢を実現させよう。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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