◆今週の3歳重賞はネオユニヴァース産駒に注目
意外と言っては失礼だが、ネオユニヴァース産駒がクラシック戦線で健闘している。
ミルコ・デムーロ騎手を背に、ネオユニヴァースが皐月賞、日本ダービーの二冠を制したのは2003年の春。道悪をものともせず、力強く抜け出した日本ダービーは、サンデーサイレンス産駒らしからぬ力強さがあった。とても印象に残っている。
初年度産駒がクラシック戦線に登場したのは、5年前の2009年のこと。アンライバルドが皐月賞を、ロジユニヴァースが日本ダービーを制し、父子2代のクラシック制覇をいきなり2頭が成し遂げる華々しさだった。
2世代目のヴィクトワールピサも、2年連続の皐月賞父子制覇。さらに翌年にはドバイワールドCを勝ち、日本遠征史に残る快挙を成し遂げた。この相次ぐ偉業に、サンデーサイレンス亡き後の日本競馬を支えるのは、ネオユニヴァースだと思ったものである。
ところが、その後がさっぱり。クラシックで3着以内に入った産駒は1頭もなく、GI全般を見渡しても、ゴールスキーのマイルチャンピオンシップ3着が最高着順。このゴールスキーにしても2世代目で、以後の3世代目、4世代目、5世代目でGI3着以内に入った産駒は、現時点で皆無なのである。
しかし2011年生まれの6世代目は、フォーエバーモアが阪神ジュベナイルフィリーズで、勝ち馬レッドリヴェールにクビ差の3着に入った。明けて1月のフェアリーSも、オメガハートロックが勝利。またピオネロは京成杯を4着、イタリアンネオも若竹賞を勝って、弥生賞に照準を合わせている。
ディープインパクトのような派手さはないが、今年のネオユニヴァースは様子がちょっと違う。今週、そのフォーエバーモアはクイーンCに、ピオネロは共同通信杯に登録している。寒波と積雪の影響で、このところ馬場が荒れ気味。ネオユニヴァース産駒はパワーを要する馬場が得意なだけに、決してマイナス材料にはならないだろう。
現3歳世代の勢いが単なる一時的な現象なのか、はたまた初期の勢いを取り戻しつつあることの証しなのか。今週のクイーンCと共同通信杯は、それを見定める重要なレースになりそうだ。